注文住宅の設計でコンセントの位置に迷う…
多ければ多いほど良いっていうけど、むやみに多くしたって成功しないよね…
こんな疑問にお答えします。
本記事で分かるコト
コンセントの位置を決めるポイント
具体的な生活をイメージしたコンセント配置例(成功例・失敗例)
コンセントの配置チェックリスト
注文住宅を建てるときに期待するのは「生活しやすい空間」ですよね。
せっかく新居に入ったのに延長ケーブルだらけ…なんてことは避けたいです。
本記事では、具体的な生活をイメージしながらコンセント配置を紹介していきます。
新築設計でコンセントの位置を決めるポイント
実は、コンセントの位置は後悔ポイントの上位にランクインしてます。(スーモの間取り失敗ランキング3位)
失敗する理由は新築後の生活をイメージしきれないからです。
生活をイメージする、といっても漠然としているので、5つのパターンで具体化していきましょう。
家電
家事・掃除
部屋別
季節ごとの生活(梅雨・夏・冬)
屋外
ポイントは、生活をイメージすることで、位置だけでなく高さも決めることです。
コンセントの高さを注意すべきポイントからコンセントの配置を考えると、対応に抜け漏れがあるので、生活を中心に検討していきましょう。
家電のためのコンセント位置
家電のコンセントを工夫することは、部屋をスッキリ見せることに直結します。
なぜなら、家電は最も過ごす時間の長いリビングを中心とする場所に設置されるからです。
具体的には以下の家電についてご紹介していきます。
- 掃除機
- 洗濯機
- 冷蔵庫
- エアコン
- テレビ・ゲーム
- 電子レンジ
- 無線LAN
掃除機
掃除機のためのコンセントは、まずコードレス掃除機・有線掃除機のどちらを使うか決めましょう。
両方使うのであれば、両方使う前提でのコンセント配置が必要です。
コードレス掃除機
まずは充電基地にコンセントを配置しましょう。
主な充電基地
- 階段下収納
- クローゼット
- 押入れ
- オープンステア階段下
充電基地の場所が重要です。
リビング近くに配置すると、掃除機をかけたいときにパッと取り出せるので便利です。
有線掃除機
有線の場合は、必ず4~5mの範囲に1つのコンセントが配置されるようにしましょう。
一般家庭の掃除機のコードの長さは、約5mです。 JIS規格で、消費電力300W以下のものは3.9m以上、300W以上のものは4.9m以上と規定されています。
1マスが90㎝なので、約4~5マスに1つの配置になります。
以下の場所には必須です。
- 階段上
- 階段下
- 玄関(室内)
- 駐車場(洗車場所)
また、Panasonicでは、掃除機のコンセントは30~40㎝が目安としています。これを中心に、微調整しましょう。
- 高さを上げる:コンセントは目立つが、使い勝手が良い
- 高さを下げる:コンセントは目立ちにくくなるが、使い勝手が悪い
出典:Panasonic
洗濯機
洗濯機は縦置きとドラム式があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
どちらも置けるように、縦置き+洗濯置きキャスターorかさ上げ台を考慮して高さを決めましょう。
我が家は縦置き+防振かさ上げ台を予定していたため、高さを140cmとしました。
コンセントが高い位置だと、ホコリの掃除がしやすいです。
冷蔵庫
冷蔵庫は将来、大きい容量を購入することを見越して高めに配置しましょう。
180~200cmが目安です。理由は下記のとおりです。
ほこりが溜まっていることに気づきやすい
抜けかけているときに気づきやすい
水気での漏電防止
冷蔵庫に隠れないことが大前提です。高くて届かなくても構いません。抜き差し頻度は低いためです。
それよりもトラッキング(ほこりが溜まって引火)防止が重要です。
エアコン
エアコンのコンセントは天井を提案しましょう。
通常、180~200cmの壁を提案されますが、壁の場合、必ずほこりが溜まります。
- 天井の場合は壁に比べてほこりが溜まりにくい
- 見栄えもいい
- コードが邪魔に見えない
エアコンを低く設置したり天井ギリギリに設置する場合を除いて、天井への設置がオススメです。
テレビ・ゲーム
テレビ周辺のコンセント数は、数を増やしておきましょう。
想像している以上にコンセント数が多いためです。
主な家電
- テレビ
- Blu-ray
- AVアンプ
- サブウーファー
- ゲーム機(WiiやNintendo Switch)
- 分配器
ゲーム機1つで2つのコンセントを要する場合もあり、延長コードでホコリが溜まることを考慮すると、想定+1つ(3つ口)がオススメです。
我が家は3つ口×3か所=9つのコンセントを設置しました。
キッチン
キッチンは数が足りずに後悔するケースが多いです。
ポイントはコンセントの位置を分けるコト。
想定する家電は下記の通り大きいものが多いので、一か所にまとめられないケースがあります。
- 電子レンジ
- トースター
- 炊飯器
- 電子ケトル
- ハンドミキサー
- フードプロセッサー
- コーヒーメーカー
コンセントの位置は、カップボードの左右に分けましょう。
電子レンジ
電子レンジのコンセントは、キッチンとの家事動線を考えて配置しましょう。
キッチンの家事動線は、シンクの後ろは冷蔵庫、コンロの後ろは電子レンジの配置が使い勝手が良いです。
電子レンジは分電盤を別経路にするため、あとで変更ができないので、ダイニングテーブルとの位置関係も見ながら配置しましょう。
無線LAN
自宅でインターネットを使う場合、Wifi(無線)での接続が便利です。
一方で、床暖房のパネルによってフロアを跨ぐ無線LAN通信は不可能のため、下記の場所に配置しましょう。
無線LAN用コンセント
- 各フロアに1つは無線LAN用のコンセントを配置する
- 配置場所はフロアの中心部
- 人の手が届かない高い位置(220㎝)
玄関
電動自転車のバッテリー充電
玄関の下部への設置がオススメです。
電動自転車のバッテリー充電は屋外でするわけにもいかず、室内に持ち込むのも大変です。
屋外から最も近く、手軽に運べて充電できるだけでなく、必要に応じて掃除機などでも活用できます。
アクアリウム
シューズウォールではなくシューズボックスの場合、必ず電源を設置しておくことをオススメします。
設計時に、想定をしていなくても必ず役に立つ場面が出てきます。
- クリスマスツリー
- アクアリウム
- 置き型間接照明
- デジタルフォトフレーム
- コンセントタイプの消臭剤
我が家は設計時想定していませんでしたが、両親世帯がアクアリウムを買ってました。
スクリーン・プロジェクタ
ホームシアターの可能性がある場合は、天井へのコンセントが必須です。
プロジェクターはもとより、電動スクリーンの可能性にも対応しておきましょう。
生活に便利なコンセント位置
新たな生活を想像することで、必要性が見えてくるコンセント配置をご紹介します。
充電ステーション・ニッチ
固定電話、スマホ、モバイルバッテリー、ネックスピーカー、フィットネストラッカーなど、日々の充電が必要なガジェットは多くあります。
そんなとき、充電が1か所にまとまっていると家の中がスッキリします。
我が家は耐震の問題や動線上の廊下の幅の問題から一条工務店のリモコンニッチを諦めざるを得ない場合も、ラダーラックで代用可能です。
ラダーダック横にコンセントを多めに配置したため、想定通り100均のカゴで充電ステーションを作りました。
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浴室への給気用サーキュレーター
高気密高断熱住宅では浴室に風を送り込めば、浴室換気扇は不要です。
さらに、浴室換気扇を回さないのでカビません。
- 夏はエアコンの全館冷房での除湿
- 冬は室内への加湿
上記の用途で一年中、利用するコンセントです。
ダイニングテーブル
ダイニングテーブル横、高さはダイニングテーブルより上に設置しましょう。
利用用途は下記のとおりです。
ダイニングテーブルでのパソコンやタブレットの利用
ホットプレート
我が家はH1000にしましたが、H850くらいが良いです。
ドライヤーをかける位置
ドライヤーは洗面で利用するケースもありますが、時にリビングで乾かすこともあります。
疲れたときは座ってドライヤーをかけたいときもありますよね。
そんなときは高い位置にコンセントがあると便利です。
我が家はH1,000の位置にドライヤー用コンセントを配置しました。
各個室(寝室・子ども部屋・リビング学習)のコンセント位置
各個室のコンセント配置は高さが重要です。
なぜなら子どもの成長とともに、最適な場所が変わるからです。
ふとん or ベッド
学習机の配置
本棚の配置
では具体的にコンセントの位置をご紹介します。
部屋の入り口
部屋の入り口には必ず配置しましょう。
なぜなら入り口に家具を置くケースは少ないからです。
入り口のコンセントは目立たないので、使い勝手を考慮し、高め(H500)に設置しておくと使い勝手が良いです。(動線がつぶれてしまう)
部屋の隅
部屋の四つ角にも必ずコンセントを配置しましょう。
配置のポイントは高さ
四つ角にはベッドや棚などを置く可能性があります(模様替えも想定)。
そのため、左の壁はH1000、下の壁はH500と高さを変えることで、家具でどちらかのコンセントが使えなくなっても、どちらかが生きる配置にしましょう。
H1,000:別途での就寝時、机を配置しても利用可能
H500 :ふとんでの就寝時
リビング学習
リビングの一角に机を組ことを想定し、高い位置への配置をしましょう。
H1,000にすれば、机を置いてもコンセントが利用可能です。
タブレット学習の充電
デスクスタンドの電源
電子ピアノの電源
クローゼット 兼 書斎
クローゼットはアイロンなどをかけることもありますが、実は書斎にもなります。
書斎として使う可能性を考慮し、四隅へのコンセント配置をオススメします。
近日公開予定:【必見】2畳のウォークインクローゼットを理想の書斎に改造|一条工務店
季節ごとの生活に必要なコンセントの位置
季節ごとの家電も想定しましょう。
- サーキュレーター・扇風機
- 除湿器
- 暖房器具
- クリスマス・七五三
すでに紹介してきたものもありますが、例えばクリスマスの電飾やクリスマス ムービングエアーディスプレイ エントツサンタを利用する場合は、想定した場所に設置しましょう。
屋外のコンセント位置
特に屋外はコンセントの追加が難しい場所です。
そのため、「使わないかもしれないけど、あると便利」という場所には設置がオススメです。
- 掃除
- 追加照明
- 室外機の交換用
- 電気自動車の充電
- カーポート
- イルミネーション
特にカーポートへの設置は後悔ポイントの上位にランキングされるため、忘れずに設置しましょう。
屋外掃除に必要なコンセント
結論としては、家の四つ角につけておけば失敗の確率がグンと減ります。
掃除で利用するのは下記のとおりです。
高圧洗浄機
車の室内での掃除機
草刈り機
高圧洗浄機は電源と必要とするケースも多い一方で、コンセントが短い傾向があります。
今、高圧洗浄機を持っていなくても、利用してみると非常に便利なことに気づくこともあるため、掃除用として設置しましょう。
RAYエアコン室外機横
再熱除湿のエアコンを交換することを考え、RAYエアコン室外機横に、単独系統の電源を設置しましょう。
目的は、RAYエアコンが故障した際、床暖房用の室外機を単独で動かすためです。
理由は、RAYエアコンは全館冷房で利用する再熱除湿機能がなく、故障時の交換は再熱除湿機能付きのエアコンに交換するためです。
しかし、再熱除湿付きエアコンは床暖房に非対応であることが想定されるので、室外に単独系統の電源を用意していくことがオススメです。
屋外照明
室外の暗さは実際に住んでみないとわからない部分があります。
下記を目的にコンセントが必要にあることがあるため、追加で設置しておきましょう。
夜の暗さ・駐車場・防犯を目的とした照明増設
防犯カメラの設置
コンセント位置のチェックリスト
いかがだったでしょうか。ここに記載したのは最低限必要なコンセント配置です。
さらに個別の必要性に応じて配置して、スッキリ・便利な新居生活を目指しましょう。
テレビ周辺 | 3口コンセント×3
|
---|---|
収納の中 | コードレス掃除機 |
玄関 |
|
wifiルータ | 各フロア・H2000以上の位置に設置 |
リビング学習 | 子ども学習用タブレットの充電等(H1000) |
リビング | ドライヤー用 |
キッチン | カップボードの左右には電子レンジ用以外に1つずつ設置 |
浴室前 | 浴室に向けて回すサーキュレーター用 |
スクリーン・プロジェクタ | 天井:将来の電動スクリーンやプロジェクタ用 |
外回り | 四つ角に設置 |
RAY室外機の横 | のちに200Vに変更できるよう、単独回路にする |
洗濯機 | 埃がたまるので掃除しやすい高さ(我が家はH1400) |
部屋の隅 | 高さを交互に配置することで、将来家具を置いても、どちらかのコンセントが活きるように。 |
ダイニングテーブルの横 | 高さはダイニングテーブルの少し上。(約H850)
|
充電ステーション・ニッチ | すっきりさせるためには必須 |
電子レンジ | 水回りの動線を考え配置。 |
掃除機 | 掃除機のコードは約5m。5mごとには配置するように。 |
部屋の入り口 | 一口は家具を置かないスペースなので、H500~H800くらいにあると便利。 |
以上の必須コンセントを配置したうえで、通常配置のコンセント+各家庭の特徴や動線を踏まえたコンセントを計画しましょう。
皆さんが後悔しないコンセント配置ができますように。