全館冷房を実践してみたら、除湿しすぎて排水が処理しきれない…
高気密高断熱住宅の一条工務店では、1台のエアコンでメチャクチャ除湿して、室内を快適にすることができます。
間取り設計時には全館冷房が成功することだけに集中しがちですが、除湿した水の排水まで計画しないと大変なコトになります。
本記事で分かること
エアコンの除湿量
除湿された湿度の排水処理方法DIY
排水処理ができないと発生する被害
全館冷房の設計
一条工務店の住宅は高気密高断熱です。設置場所の工夫次第では6畳用のエアコン一台で家中を除湿できて、梅雨から夏の間は室内がサラッとした快適空間を保てます。
全館冷房の設計のポイントとしては、大きく3つのポイントがあります。
- エアコンの選定
- エアコンの設置場所
- エアコンの冷房設定
これをちゃんと守って設計すると、かなりの確率で全館冷房は成功しますが、それは室内の話です。
全館冷房の成功は、大量の除湿された排水処理が必要になることになります。
つまり、エアコンのドレン管が室外に出る場所や外構も計画しないと、想像以上に除湿された水を処理できなくなり、処理できなくなった水がさらなる被害に繋がります。
エアコンのドレン管は、水はけのよい場所に出す
1台の全館除湿で20~40ℓ/日を排水(除湿)するので、二世帯の我が家は1本のドレン管から40~80ℓ/日の排水が想定されます。
加えてドレン管が駐車場にあったため、コンクリートをひいており、排水された水は地面に吸収されません。
もしこんなことになってしまったら下水管に繋げると排水処理ができるのですが、下水管の匂いがエアコンまで逆流してしまうというデメリットもあるので要注意です。
排水処理をしないと起こる被害
1日40ℓもの排水を処理しないと、常にビシャビシャです。梅雨・夏場は害虫の水飲み場になります。
外周が増えると自宅だけでなく周囲の家にも迷惑をかけることになります。
もしまだ設計中であれば、対策はいくつか考えられます。
- ドレン管を排水溝の近くに設置し、直接排水溝に流す
- 外構を透水性の高い舗装(ドライテックなど)にする
しかし、入居後に全館冷房にチャレンジした場合などは、ここまでの除湿量を想定していない設計の可能性があると思います。
そうはいっても害虫対策をしないわけにはいきません。
そこで、結果、ドレン管と雨水升をドッキングするDIYを実施しました。
DIYで排水処理
ドレン管と雨水升をドッキングしてみました。その距離約2.5mです。
<手順>
- 一条工務店が設置したドレン管を一部カット
- 90度曲げ継手を設置
- 臭い・害虫対策でドレントラップを設置
- 雨水升の一部に穴をあける
- ドレントラップにつなげる
項目別にもう少し詳細をご紹介します。
①ドレン管の一部カット
継ぎ手(真下向き)を外そうとしましたがボンドで止められているため、外すことだけでなく、向きを変えることも困難だったので、先端をカットしました。
おそらくドレン管は少し出せるように余裕をもって施工されているので、切断しても室外にドレン管は残るはずです。
ちなみに我が家の塩ビ管の種類(太さの規格)は「VP16」でした。
②曲げ継手
切断した塩ビ管(VP16)に継ぎ手をはめ、角度を横に設置します。
③配管を伸ばす途中にドレントラップ(横引き用)
雨水をたどって害虫が遡上しないように、そして、配管からの匂いが室内に逆流しないように、ドレントラップ(害虫用・防臭用)を設置します。
問題は、この商品はVP25かVP40しか種類がありません。
我が家の塩ビ管はVP16。ということで、径違いソケットでドッキングです。
説明書には7度以上の勾配はとってはダメ、という注意事項が記載されています。
④雨水升の一部に穴
これは完全に自己責任です。雨水升は四角ですが、塩ビ管の筒の中に降りているだけです。
ドレントラップに適合するのがVP25(外径32mm)。
ドレントラップから勾配をとるため、できるだけ下に、少し角度をつけて、念のため33mmの穴をあけました(結果、32mmの穴でも良かったです)。ほぼピッタリです。
一方、下すぎると、穴よりも穴あけの外径が大きいため、コンクリートに当たり、かなり大きな音が出てしまいますので、注意が必要です。
⑤ドレントラップと繋げる
ここまでくれば、ほぼ終わりですが、勾配の影響で、すべての塩ビ管が一直線上にないと、微妙に漏れます。
対策として、漏水対策用のシールテープを5回くらい巻いてから結合。
そして、結合した外側にも念のためシールテープを施工。
加えて気持ちだけ、漏水対策テープも施工。
これで完全に漏れなくなりました。
まとめ
やらないに越したことはないDIYですので、設計中のあなたは、ぜひ配管ルートの確認と対策を実施してください。
すでにエアコンからの排水が多い方は、できるだけ近くの地面に吸収させましょう。
それができない場合、苦肉の策としてDIYをしてみるのも選択肢の一つかもしれません。