一生に一度の住宅。価格や営業、間取りだけでなく、末永くアフターフォローをしっかりしてくれるところがイイですよね。かといって営業さんはアフターフォローの本当のところは教えてくれず、心配だったりしませんか?
一条工務店のアフターって実際のところ、どうなの???
この記事では一条工務店でi-smartを購入し、その後のアフターフォローを受けている筆者の例をもとに考察したいと思います。
最終的には筆者のアフターフォロー経験が、他の家でも同様のことが起こりうるか、が重要なところです。筆者のアフターフォロー経験が皆様の住宅購入の選択に役立ってくれることを願って記載します。
一条工務店のアフターは良くない?
結論から言って、現時点において一条工務店のアフターは悪い、といわざるを得ません。
「良くない」のではなく、悪いと感じています
一条工務店に入居後、1年半で受けたアフターはこれだけあります。
- エアコンのドレン管施工不良(水漏れ)
- 壁内のドレン管勾配設置ミス(逆流)
- エアコン設置型番間違い(施主が気付く)
- 電動密閉式シャッター施工忘れ
- 洗面台の割れ
- 給湯器のリモコン断線
- 自動水栓の基盤故障
- 窓のフィルム(複層ガラスの内側)外れ
もちろん入居当初のキズなどは別にありましたが、軽微なので含めていません。
もちろん、不具合発覚からすぐに対応してもらえれば、アフターは良いと評価できるのですが、とにかく対応が遅いです。
エアコン水漏れ | オプションの未施工 | 給湯器故障 | |
対応依頼日時 | 7月4日 | 4月12日 | 12月22日 |
日程調整開始 | 7月13日 | 6月11日 | 1月18日 |
対応実施・完了 | 9月3日※ | 6月29日 | 2月25日完了 |
※一時応急処置は7月17日
本記事では、これらのアフターを受けるにあたって筆者が一条工務店に質問してきた結果、感じた問題点をご紹介します。
可能であれば一条工務店の社員に読んでもらいたいぐらいの気持ちで執筆しています。
一条工務店アフターの問題点①
一条工務店のアフターフォローは「営業担当→現場監督→下請け業者」というフローになっています。
そのため、当然、手を動かす下請け業者までに時間がかかり、正しい内容が伝わらない可能性があります。
加えて、登場人物が多く、一人でも対応が遅い担当者がいたら、すべての対応が遅れることです。いわゆるサプライチェーン問題です。
我が家の営業担当は非常に熱心で、すぐにいつでも対応してくれます。適宜、報告をしてくれるので、動いてくれている様子も見えます。
しかし、現場監督と下請け業者の対応が非常に悪いと、アフターは進まないんです。
- とにかく対応開始が遅い(現場監督)
- しきりに「ウチが悪いのではなく一条工務店が悪い」と主張(下請け業者)
- 改善策の提示がなく、こちらが選択肢を出しても「それはできない」の一点張り(下請け業者)
これらによって、我慢に我慢を重ねましたが、こちらから催促しないと動かない業者・対応依頼から対応まで1か月かかる状況を鑑み、現場監督には交代していただきました。
次に、否定しかしない下請け業者の交代も依頼しましたが、一条工務店からは「施工を実施した業者なので、中身をすべて知っており、今後の対応を考えると変えないほうが良い」という回答があり、「一条工務店がしっかり下請け業者を動かすこと」を条件に変更していません。
これらの問題は「人」の問題ですが、どんな会社にも同じことが起きえます。
重要なのは、人の力量に頼らなくても品質が落ちない仕組みなのですが、そこにも大きな問題がありました。
一条工務店アフターの問題点②
対応が非常に遅いということをご紹介しましたが、その理由は対応を忘れていた・対応が漏れていたということでした。
つまり、メンテナンス依頼のチケット管理システム(だれが、いつ、何を依頼されて、どこまで対応していて、今後どんな対応が必要なのかをシステムで管理し、遅ければ担当者に気づかせるメールやアラートを出すシステム))がないのです!!!
下請け業者は「一条工務店には報告した」と言っていて、一条工務店は「報告を受けていない」といったこともありました。
加えて下請けとのやり取りも、電話もしくはFAXで対応しており、どこで対応が切れているか、伝達ミスや対応漏れがあるかさえ、見つけられない仕組みなのです
営業担当によると、「対応は平均して1週間程度」とのことでした。
これは「依頼」を受けて「作業」を実施する企業としては致命的です。問題は人だけでなく、管理にあったのです。
筆者も、「担当者は忙しいんだろうし、あんまり催促しても嫌がられて、ちゃんと対応してくれなかったら嫌だから、出来るだけ待とう」というスタンスでしたが、それでは1か月待っても対応していただけません。
一条工務店のアフターは待ちでは対応してもらえない
気後れせず、5営業日以内に連絡がなければ、再度「催促」してみることをオススメ致します。
一条工務店アフターの問題点③
一条工務店にアフターが酷いことを伝えました。そこで分かったことは、一条工務店のアフターは工事課が兼務しているということです。
クレーム対応のプロが、消費者に対応しつつ、工事課のアフター品質が悪い部分を発見・改善しながら、消費者の満足度を上げ、不満を抑えることで、会社が成長します。
そのため、そもそもどんなクレームが発生しているか、詳細に把握・分析していません。(ロスガードのクレームや窓の問題などの発生頻度など大きなくくりでは把握しているようです)
つまり、通常、どのくらいの不具合があるかどうかが現場の肌感覚でしかわからないので、普通よりも不具合が多いから手厚く対応しないといけない、などの判断がつかないのです。
施工不良は工事課だけの責任ではないのですが、アフター管理もクレーム対応もすべて任されている現状は不憫でなりません。
一条工務店の方へ
クレーム内容の定量評価は絶対に必要です。
工事課の人からは、「何が問題かは優劣がつけられない」と言われましたが、優劣は会社で決めるべきです。
ロスガードのクレームを減らしたい、窓のクレームを減らしたいなどの会社の想いから重要度係数を設定し、クレーム数に乗じて定量化するのが良いです。
すると、問題点が見えてくるかもしれません。
- この地域では窓の問題が多い
- この問題が多いのは製造ラインのココに繋がっている
- この輸送のものが壊れやすい(季節問題などの仮説)
- 工事課やアフター品質の地域差
そうして問題点を発見して、改善していくんです。今は分析を前提に集計をしていないので、問題点を発見するスタートラインにすら立っていません。
一条工務店が新しい商品、性能向上で成長してきた会社であることは分かります。
ただ、ここまで大きな会社になって、多くの施主を抱える規模になったのであれば、一度アフター・品質を大切にしないと、間違いなく成長は継続しません。
ぜひ会社をあげて取り組んでいただけないでしょうか。
最後は「人」次第
これまで一条工務店のアフターフォローについて、以下の3点をご紹介してきました。
- 対応がアナログ
- アフター品質は対応する工事課の社員次第
- 全ての責任が工事課のため、品質管理が適切にできない
システムを導入できれば解決しますが、これだけ大きい会社が簡単に導入は難しいはずです。
対策は1つ。遅いと思ったら躊躇なくリマインド(再連絡)。絶対。
もちろん、どんなにシステムが優秀でも、ぶっきら棒に対応されれば心証が悪いように、最後は「人」なんです。
施主も横柄にならずお願いすることで、対応がスムーズにいくこともあるでしょう。
一条工務店 アフターの良い点
ここまで悪い点をご紹介してきましたが、もちろん良い点もあります。それがスマホアプリからのメンテナンス・障害依頼です。
一条工務店では口頭によるアフターメンテナンス依頼で生じる誤解」なくすために写真を取り入れています。
これは非常に良い取り組みで、依頼する側も一生懸命文字を考えなくてよく、対応する側も無駄な対応をする必要がないという画期的な方法だと思います。
誤解がなくなるので「確認作業」のやり取りが減り、対応が早くなるうえ、記録も残ります。
定期メンテナンスも10年保証もちゃんとついています。
一方で保証は使うときに真価が発揮されます。一条工務店の工務課の方も真面目に一生懸命対応してくれる方もたくさんいます。
仕事が遅くても、状況をちゃんと報告してくれる安心感や一生懸命さでカバーできる部分もあります。
引き渡しの時に受けた「これからが長い付き合いになります」という言葉の通り、私からも一条工務店に良くなってもらいたいという思いで執筆しました。
今後、利益優先で現場にしわ寄せがこないよう、その結果、せっかく一条工務店に惚れて建てた施主がクレーマーに変わらないよう、改善をしていってもらうことを切に願っています。