自分は営業職には向いてないと思うけど、事務職の将来性はどうなんだろう?
将来、IT化で求人が減ったら、キャリアアップも転職も出来ないのは困る。本当のトコロ、どうなんだろう?
こんな疑問にお答えします。
本記事の内容
事務職の将来性を晒す
事務職で必要なスキルを晒す
今後の事務職の働き方
他サイトのランキングは、真剣に事務でキャリアを築いたことのないライターが、転職させることを目当てとした不安をあおる記事しかないので要注意です。
本記事では、事務でキャリアを築いてきた筆者が、事務職のニーズを全て公開します。
本記事の信頼性
事務職は将来性がない、は嘘。
まず結論からお伝えします。事務職に将来性がない、は嘘です。
もう少し正確にお伝えすると、事務職と一言で言っても、様々な職種があります。
そのすべてに将来性がないかというと、そんなことはありません。
一方で、確かにニーズの無くなる職種もあります。
努力してスキルを身につければいいだけではありません。
事務をしているからこそ気づく、将来性のある職種の法則がありますので、ご紹介します。
消える職種・残る職種
AIにとって代わられる職種は、オックスフォード大学の研究者の論文が話題になりました。
それがいつの間にか、各転職会社が解釈して色々なランキングを出しているので、まずは原文The Future of Employmentをご紹介しましょう。
自動化の可能性が高い職業 | 自動化の可能性が低い職業 |
保険の査定担当者 | レクリエーションセラピスト |
クレジットアナリスト | 整備士・修理工の監督 |
不動産ブローカー | 医療ソーシャルワーカー |
レストランの料理人 | 振付師 |
造形等の作業員 | セールスエンジニア |
弁護士助手 | 小学生の教師 |
会計士・監査人 | 洋服のパタンナー |
小売店の店員 | 人事マネージャ |
向上作業員 | スポーツトレーナー |
臨床作業技師 | 経営者 |
タクシー運転手 | 写真家 |
テクニカルライター | 調達責任者 |
農業従事者 | 弁護士 |
原子力技術者 | システム責任者 |
電子機器技術者 | 数学者 |
他サイトで出ている一般事務員や銀行員は、オックスフォード大学の論文のランキング上位に入っていません。
自動化の可能性が高い職業
自動化の可能性が高い職業は、パターン化できる作業が該当します。
AI(人工知能)というよりRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)が先に広まっていくはずです。
具体的には下記のような業務です。
- 仕訳から銀行振り込み
- 本人の申請(住所変更等)から社会保険手続き
- 在庫管理
- 月末の売上集計や決算
自動化できてしまえば、求人(ニーズ)もなくなり、転職や年収アップも難しくなっていきます。
自動化の可能性が低い職業
自動化の可能性が高い職業は、クリエイティブな仕事、正解のない仕事、他者との調整が必要な業務が該当します。
AIと聞くと、人間みたいに自分で考えられるロボットを想像するかもしれませんが、現時点ではまだ人間の指令通りに動くだけです。
具体的には下記のような業務はシステムに代われません。
- 経営判断
- システム設計
- 社員からの相談
システムのデータを活用する業務は、そのこと自体を自動化することはできません。
自動化できない業務だけが将来性があるわけではなく、他の人ができないようなスキル(希少価値)も将来性があるので、視野を狭めないようにしましょう。
将来性のある事務職になるために身につけるべきスキル
今の社会はスペシャリストのニーズが高いですが、将来性を見越すと、ゼネラリストが最強です。
理由は2点あります。
システムを活用した業務改善は必要不可欠
スペシャリストほどシステムに置き換わりやすい
ゼネラリストが必要な理由
今後はゼネラリストが生き残る時代になります。
なぜなら、個別の作業がシステム化されていくと、必要な人員は減っていきますが、各システムを活用できる人材が必要だからです。
ほとんどの会社は人事と経理は1人ずつの社員がいて、それぞれ1人分の仕事があります。
- 会計ソフト
- 人事管理ソフト
- エクセルで在庫管理や売上管理
自動化が進めば、1人ですべての業務時間に収まるようになるでしょう。つまり、1人で色んなことをできる人材のニーズが出てきます。
スペシャリストのニーズが落ちる理由
スペシャリストの業務はシステムに置き換えやすいです。
オックスフォード大学の論文から時間が経ち、新たに分かってきたことがあります。
当時、弁護士は自動化の可能性が低い職業にランキングされていましたが、今や自動化の可能性が高い職業となっています。
なぜなら、正解のある仕事だからです。
- 弁護士
- 行政書士
- 司法書士
- 社会保険労務士
いわゆる士業ですが、深い専門知識で行う事務作業は、システムで簡単に検索・作成できるようになります。
これからは、システムに入っている深い知識を活用できるゼネラリストの時代が来るので、事務職のニーズが高まってくるでしょう。
事務職のニーズは本当にあるのか?
ここまでは事務職としての業務の特徴を捉えて解説してきましたが、社会的にも本当にニーズがあるのかをご紹介します。
有効求人倍率は低く、転職しにくいんじゃない?
実は、事務職の中でも人事や経理、企画系の有効求人倍率は高いです。
なぜなら、将来を見越してシステム化をするためにも、今を乗り越えるために事務職へのニーズがあるからです。
有効求人倍率が低いと言われている理由は、転職会社や広告目当てのステマ記事で、トリックがあります。
一般事務・営業事務は、有効求人倍率が0.3程度と非常に低い
人事・経理・企画系の事務職は、有効求人倍率が1.3以上で、1人に1求人以上ある状態
つまり、他サイトは、事務員としてのキャリアはムリだから早く転職しなさい!とアフィリエイトで収入を上げたいだけなんでですね。
今、ニーズがあっても将来は…?と思うかもしれませんが、今、システム化や業務改善に携わることで、将来的にニーズがなくならないゼネラリストへの道が開けます。
スキルのつけ方を間違わなければ、ニーズは続くでしょう。
AIにとって代わられるんじゃない?
現役事務職だからわかることを暴露しますが、AI技術はまだまだ未熟です。特に人事の仕事はAIに代えられません。
なぜなら人事は正解のない仕事だからです。
企業が使う採用AIを利用しましたが、分析力は低く、自動化には程遠い状況です。
システムは正解のある仕事しかできません。
システムに代えられる業務 | システムに代えられない業務 |
給与計算 | 採用試験 |
社会保険手続き | 相談 |
人件費請求処理 | 制度設計 |
人事評価 | 業務環境整備 |
育成 | 業務改善 |
残念ながら、経理の仕事や一般事務、営業事務などはシステムに代えられる作業が大きいのでニーズは減るでしょう。
一方で、社員のメンタルへに気づきや、評価制度の設計などはシステムでは行えません。
つまり、人事の仕事はこれからもニーズが続いていきます。
今後の事務職の働き方
業務改善能力が求められる
事務職の真骨頂は業務改善にあります。
ただ単に事務するだけであれば誰でもできますが、システム化や業務効率化は、このあと20年は組織の命題になるのは確実です。
具体例
チェック能力が高く、会計業務をバッチリできる社員
チェックシステムの導入提案ができる社員
企業が必要なのは後者の社員です。
なぜなら、前者の社員はチェックする時間しかありませんが、後者の社員は、チェックの時間を失くし、他の業務をできる時間を創り出しているからです。
これからは決められたことを決められた通りやる人材ではなく、常に改善提案できる人材が求められていきます。
複数の組織のコンサルをするようになる
将来的には新しい働き方が生まれてくることが予想されます。
将来的には、複数の会社の業務を掛け持ちするようになる
なぜなら、人口減少社会の日本において、政府は国策として「副業解禁」を進めているからです。
副業とは複数の仕事を持つため、1つの仕事は短時間労働になります。
つまり、そこで求められるのは作業ではなく、業務改善(コンサル)です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
まとめると以下の感じです。
事務職のニーズはなくならない
システムに代えられにくいのは人事業務
将来的にはゼネラリストが最強
今後はスキルがあれば、コンサル・フリーランスのような働き方になる
人事業務につくにはキャリアのスタート(若い時期での転職)がポイントです。
そして、そのためにはどの転職エージェント・転職サイトでも良いわけではありません。
将来を見越してキャリアを作ってみてはいかがでしょうか。