全館冷房って、具体的にどうやってやればいいのかな?
とりあえず難しい理論は良いから、やり方だけ知りたい
こんな疑問を解決します。
全館冷房とは、以下のようなことです。
春先から秋までの湿度が高い季節、エアコン1台で家中を除湿して快適な空間を作る方法
参考:エアコン1台全館冷房(除湿)|「家は、空調。」24時間全館冷房(除湿)by 一条工務店
具体的な手順さえ守れば、どんな家庭でもできることですので、ぜひチャレンジしてみてください。
全館冷房を実現する3つのポイント
全館冷房は、目に見えない空気を調整するので難しいように思いますが、その理屈は単純明快で、下記3つをすれば、実現可能です。
外断熱をする
利用するエアコンを決める
エアコンの設定をする
本記事では、簡単で分かりやすく、全館冷房を前提とした間取りにしていなくても実践できる方法を紹介していきます。
ここで紹介した方法以外にも実現できる方法もありますので予めご了承ください。
では具体的に紹介していきます。
外断熱はサンシェードを設置する
全館冷房を成功させるためには、外から入ってくる熱を最小限にするためにサンシェードの設置をします。
理由は下記の3つです。
春から夏にかけて室内に入ってくる熱はの60~70%は窓が原因
火災対策のために壁に含まれる水に蓄熱する
熱が室内に入ると、全館冷房で除湿しても室内が暑いまま
対策は簡単です。熱が窓から室内に入らないように外断熱するだけです。
その方法がサンシェードの設置です。これだけで室内の暑さが断然違います。
サンシェードは壁取り付け型のサンシェードを取り付けても良いですし、壁にアイプレートを設置してサンシェードを取り付けても良いです。
サンシェードは高いと思うかもしれませんが、夏にカラッとした快適空間を作るために必要です。
暖かい空気の集まる場所にあるエアコンを使う
全館冷房で利用するエアコンは、暖かい空気が集まる場所(高い位置)にします。
エアコンは設定温度になると冷房(=除湿)を止めるので、稼働し続けさせる必要があるからです。
暖かい空気が集まる場所であり、設置すべき具体例は下記のとおりです。
2階建てであれば、階段上(暖かい空気は上昇)
平屋であれば玄関(人の出入りで玄関から暑い空気が入る)
一方で、リビングは絶対にNGです。冷房が24h稼働し続けるため、最も長く滞在する場所が、寒くなりすぎてしまいます。
1階の冷気を2階に運ぶのはほぼ不可能です。
もし今、間取り設計中であれば、想定しているエアコンでダメだった時を考えて、良さそうな位置にエアコンの穴を開けておくと良いです。
全館冷房は除湿の継続なので、暖かく湿った空気が集まる場所のエアコンを利用します。
エアコンの設定は24h冷房で除湿し続ける
全館冷房を実現するエアコンの設定は4つのみです。
モード:冷房
設定温度:22~24度
風量:最弱
風向:下
具体的に紹介していきます。
設定モードは冷房
全館冷房とは除湿し続けることです。除湿を続けるためには冷房設定にします。
24hずっと除湿し続けるためには冷房設定
エアコンは、中にあるアルミフィンを冷やし、入ってくる湿った空気を冷やすことで結露させ、排水しています。
「なぜ除湿設定じゃないの?」と思うかもしれませんが、除湿設定は一定の湿度になったら省エネモードの送風に自動切替します。
そのため、エアコンで除湿し続けるためには、冷房が「設定温度になったので自動送風にしよう」とならないように、低い温度設定をする必要があります。
季節 | 目安 |
春(梅雨前) | 冷房22℃ |
夏前(梅雨~) | 冷房23℃ |
夏 | 冷房24℃ |
重要なのは、エアコンが常に除湿し続けることです。
電気代が心配の場合はこちらをご覧ください。電気代は100㎡で約1.7万円/月です。
風量は最弱
全館冷房のポイントは、室内を冷やさないようにすることです。
全館冷房を実現できる高気密高断熱住宅は、冷房ですぐに設定温度になってしまい、自動で送風に切換ってしまいます。
全館冷房の風量は常に最弱
全館冷房の目的は除湿です。部屋を冷やし切らなくても除湿されていれば快適空間になります。
すぐに冷えてしまうからこそ、できるだけ冷やさずに除湿し続けさせるためにも風量は最弱です。
風向は下
風向きは、冷たい空気がエアコンの給気口に入らないようにする必要があります。
エアコンは上部から湿った空気を取り込むので、風向きは下にする
除湿された空気を再びエアコンに吸い込むと、エアコンは部屋が冷えたと勘違いして冷房(除湿)を止めます。
暖かい湿った空気をエアコンの上部についている吸気口に吸い込ませるルートを確保させるためにも、風向きは最下部の設定がオススメです。
全館冷房がうまくいっているか確認する方法
除湿の確認は、エアコンから出てくる空気の湿度で確認可能です。
空気中に含めることのできる湿度は室温によって違うので、割合(%)ではなく水分量(g)で除湿状態を把握可能だからです。
エアコンから出てくる空気が絶対湿度が12g以下になっていればOK
下記の表を見ると、相対湿度(%)は室温(温度)に関係していることが分かると思います。
温度 | 20℃ | 10℃ |
相対湿度 | 55% | 100% |
絶対湿度 | 9.4g | 9.4g |
絶対湿度計は結露が酷い室内の状況を把握するためにも利用できるので、一家に数台あっても無駄になりません。
全館冷房がうまくいっていないときの対策
エアコンから出てくる空気の湿度が絶対湿度12gを越した場合、除湿しきれていないので、対策する必要があります。
給気口にフィルタを設置
設定温度を下げて無理やり除湿
再熱除湿モードを利用
具体的に紹介していきます。
給気口にフィルタを設置
エアコンの吸気口にフィルタを設置してみましょう。
エアコンを通過する空気がゆっくりになると、冷たい風の排出量も減るので、室内が冷えにくくなるので除湿稼働が続きます。
エアコンの上部が吸気口であれば、フィルタをかぶせるだけです。
設定温度を下げて無理やり除湿
除湿しきれていないのあれば、設定温度を下げて、冷房を続けさせます。
設定温度が下がると強風になるわけではなく、その温度に達するまで冷房し続け、室内も冷えやすくなります。
筆者の経験では、22℃もしくは21℃まで落とすと除湿は進みます。一方で部屋も寒くなりがちです。
設定温度を下げる前にフィルタの設置がオススメです。
再熱除湿モードを利用
どうしても室内が冷えてしまうというときは再熱除湿機能のエアコンを利用しましょう。
エアコンによっては、この機能がついていない機種も多いです。なぜなら省エネではないからです。
再熱除湿の動きは下記のとおりです。
- エアコンが湿った空気を吸い込む
- 冷やして結露させ除湿する
- 除湿した空気を温めてから室内に戻す
つまり電気代がかかります(+1~2千円/月)。
梅雨のジメっと感がなくなり、快適に眠れる夜を作るには安いと思います。
エアコンのメンテナンス方法
秋に冷房を終了させるときは必ず12時間以上は送風を実施してください。
エアコン内の水分、水を外に出すためのダクトの空気を乾かし、カビを発生させにくくするためです。
一方でエアコンによってはリモコンに「送風」がないケースがあります。日立のエアコンのリモコンには送風ボタンがありません。
送風設定方法(機種によって送風設定方法がだいぶ違います)
- RAS-XJ22H~XJ90H2:リモコンを開いて「イオン空清」を押す。
- RAS-E22H~E40H2:設定温度を32℃にして、「冷房」運転にする。
エアコンがカビると、室内に散らばるので、毎年1回のみなので、しっかり乾かしましょう。
まとめ
エアコンによる全館冷房(除湿)を実施するポイントをまとめました。
ポイント | 対策 |
窓の外断熱 | サンシェードの設置 |
使うエアコンの場所 | 設置場所は階段上か玄関 |
エアコンの設定 | 冷房 22℃~24℃ |
風量:最弱 | |
風向:一番下 | |
裏技 | フィルタの設置 |
稼働 | 梅雨~秋は24h |
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