全館冷房、具体的に何をどうすればイイのかだけ知りたい…
もう少し簡単に全館冷房の仕組みが知りたい…
こんな疑問にお答えします。
筆者は一条工務店施主ブロガーのフエッピー様やまぼこ様のブログを見ながら、少しずつ理解をしていきました。
とても理論的で熟考すると理解しやすいのですが、「3分くらいで具体的な方法だけ知りたい!」という人向けに情報をまとめました。

直射日光が当たっているので外は暑くなっていますが、室内は湿度が低いために快適です。
高気密高断熱での全館冷房は、仕組みを知ってしまえば、意外と簡単に成功することができます。
本記事で分かること
- 全館冷房のエアコン設定
- 除湿できる仕組み
全館冷房|7つのポイント
全館冷房と聞くと敷居が高いように感じますが、7つのポイントを守れば成功できます。
- 窓の外断熱
- エアコンの設置場所
- エアコンの設定モード・設定温度
- エアコンの風向き
- エアコンの風量
- フィルタ
- 稼働期間
最後に、ちゃんと除湿できているかの確認方法もご紹介します。
日射熱制御
春から夏にかけて家の中に入ってくる熱の60~70%が窓からと言われています。
室内の壁は火災対策のため水分を多く含むため、蓄熱してしまい、室内に床暖房が流れている状態になるため、エアコンを止めると部屋が暑くなってしまいます。
最も有効な対策は外断熱です。サンシェードを設置し、窓の外で日射熱をカットするだけでも劇的な省エネになります。
サンシェード設置業者と話しても、その効果を実感として知らない人が多いので、「なぜそんなにこだわるの?」と変人扱いされますが、気にしないようにしましょう。

設置場所
設置場所は温かい空気が動く先です。エアコンは設定温度に達すると冷房(除湿)の運転を止めます。
冷房(除湿)運転を続けるためには湿った暖かい空気を常に供給する必要があります。
そして暖かい空気は上昇します。つまり、具体的には階段の登り切った場所なのです。

階段に窓がついていて、日射熱で階段を暖めてくれる設計も良いと思います。
空気の特性はサーキュレーターの使い方の記事に図でまとめています。

設定モード・設定温度
運転設定は冷房です。「除湿」ではありません。
エアコンが除湿をする方法は、エアコンの中にあるアルミフィンを冷やし、エアコン内で結露させた水分を室外に捨てているだけです。
また、エアコンは設定温度に達すると冷房(除湿)を止めるので、低めの設定にする必要があります。低い温度設定にしたから、速く冷えるのではありません。
季節によって室内の温度が違う(設定温度に達すると冷房が止まる=サーモオフという)ため、設定温度例は以下の通りとなります。
春(梅雨前) | 冷房22℃ |
夏前(梅雨~) | 冷房23℃ |
夏 | 冷房24℃ |
あくまで目安なので、地域やあなたのご自宅の状況によって微調整をしてください。
風向き
その機種で出来る限りの真下に近い位置にしましょう。
除湿された空気を再びエアコンに吸い込むと、エアコンは部屋が冷えたと勘違いして冷房(除湿)を止めます。
暖かい湿った空気をエアコンの上部についている吸気口に吸い込ませるルートを確保させるためにも最下部の設定がオススメです。
風量
風量は最弱です。なぜなら、目的は室温を冷やすことではなく、除湿だからです。
むしろ風量が多く室内が先に冷えてしまうと、紹介した通り、エアコンの運転が止まります(サーモオフ)。
つまりできるだけ室温を下げず、冷房を継続させるほど除湿が続くのです。
フィルタ
これまで紹介してきた通り、除湿をするためには室温を低くしたくないということがポイントだとわかっていただけたと思います。
それでも室温が低くなってしまう場合の対策が、エアコンの吸気口にフィルターを設置するなのです。

エアコンの吸気口にフィルタを設置すると、エアコンを通過する空気がゆっくりになります。
アルミフィンは冷え、除湿は進みますが、吸気が少ないために冷えた空気が出てくる量も少なくなるためです。
稼働期間
いわゆる24時間つけっぱなしです。その目的は、蓄熱対策です。
エアコンをつけている日中は涼しいが、夜にタイマーで2時に消すと、3時には熱帯夜になっている、というアレです。
24時間室内を一定温度の保つことによって、室内の壁(石膏ボードに含まれる水)も一定温度に保つことで、外気が急に暑くなっても、室内が急に暑くならない
付属として、家電は全てそうですが、稼働開始に一番大きな電力を必要とします。付けたり消したりしても、結果的に、そこまで電気量に影響しません。
除湿状況の確認方法
エアコンから出てくる空気が絶対湿度が12g以下になっていれば、除湿できていると考えて良いでしょう。
絶対湿度はこれで測りましょう。(絶対湿度とは、室温に左右されずに湿度を測る方法です)
相対湿度(よく見かける湿度〇〇%)とは、温度によって含まれる水分量が違うので、除湿されたかどうかは、温度によって左右されない「絶対湿度」の方が簡単に空気中の水分量を把握できます。
温度 | 20℃ | 10℃ |
相対湿度 | 55% | 100% |
絶対湿度 | 9.4g | 9.4g |
→相対湿度が違っても、空気中に含まれる水分量は同じ
良く分からない場合は、みはりん坊を購入し、エアコンの空気の出口に設置し、12g以下が表示されるように冷房の設定温度を調整する、だけで良いです。
12gを超したとき
もし絶対湿度が12gを超えた場合の対策は3つあります。
再熱除湿モード | エアコン内で冷やしで除湿した後、空気を温めて室内に戻すモード |
設定温度を下げる | 冷房を稼働させて除湿させる |
送風 | 室温・湿度共に快適の場合、止めるとエアコン内に水が残りカビの原因となるので送風でエアコン内を乾燥させる |
上2つの場合、ちゃんと12g以下になるか確認しましょう。

これらを実践すると、真夏の昼までも28度を切り、湿度が低いので全く不快感はありまえん。
外出から帰って来ると涼しいくらいです。
メンテナンス
秋に冷房を終了させるときは必ず12時間以上は送風を実施してください。
エアコン内の水分、水を外に出すためのダクトの空気を乾かし、カビを発生させにくくするためです。エアコンによってはリモコンに「送風」がないケースがあります。
ちなみに我が家の日立のエアコンのリモコンには送風ボタンがありません。
送風設定方法(機種によって送風設定方法がだいぶ違います)
- RAS-XJ22H~XJ90H2:リモコンを開いて「イオン空清」を押す。
- RAS-E22H~E40H2:設定温度を32℃にして、「冷房」運転にする。
まとめ
エアコンによる全館冷房(除湿)を実施するポイントをまとめました。裏に理屈はたくさんありますが、すべてをまとめると、この7点のみです。
やるべき項目 | 対策 |
窓の外断熱 | サンシェードの設置 |
エアコンの設置場所 | 階段の登り切った場所 |
エアコンの設定モード・設定温度 | 冷房 22℃~24℃ |
エアコンの風量 | 最弱 |
エアコンの風向き | 一番下向き |
フィルタ | 除湿促進 |
稼働期間 | 梅雨~秋 |
エアコンを自動運転、24時間冷房28℃設定はNGです。全館冷房になったとしても、全館除湿になりません。
