収納ってどのくらい作った方がいいんだろう…
使い勝手の良い収納を間取りに組み込みたい…
こんな疑問にお答えします。
間取設計を計画すれば、誰でも簡単にスッキリした部屋をキープすることができます。
本記事では、収納の間取り設計に重要なもポイントを網羅したので、ぜひ最後まで読んでみてください。
本記事のポイント
収納の必要な広さは?
どこに設置すればいい?
奥行きや高さは?
将来、無駄なスペースにしないためには?
収納が苦手な人でも片づけられるポイントは?
満足できる収納の設計ポイント
満足できる収納設計のポイントは、「収納率」に加え「使いやすい収納」にすることです。
収納を使いやすくすると、収納を使うようになるので、無意識に部屋が片付くようになります。
そんな間取りにするためには3つのポイントがあります。
収納効率をよくするポイント
収納率
収納の設置場所
収納の形状
本記事では、使いやすい収納について、具体的にご紹介していきます。
必要な収納率の目安は?
収納は「使いやすさ」です。一方で、最低限の広さは必要です。
7割以上が満足するといわれる理想的な収納率(収納部分÷総面積)は、戸建10~12%、マンション8%以上です。
収納率は最低10%程度は確保するようにしましょう。
収納は多ければ良いわけではない
収納率は14%を超えたところで満足度はストップするといわれています。
理由は2点あります。
収納が面積を占有し、部屋が狭くなって後悔
収納が広すぎると、不要なものも溜まるので後悔
気が付くと、子どもの工作物・おもちゃ・数年着ていない洋服などで埋まっていきます。
収納面積にも固定資産税がかかるので、無駄に大きくするのはやめましょう。
後悔ポイントになるので要注意です。
収納の設置場所の決め方
収納の設置場所を決めるためには2つのポイントがあります。
用途を決める
動線を考慮
理由は、収納したいものには2つの種類があるからです。
- 利用頻度が高く毎日使うもの
- 利用頻度は少ないが、必須のもの(保管)
毎日使うものは生活動線上に収納を配置すると非常に便利です。
一方で、利用頻度が少ないけれども必須のものを入れる収納は、広さが重要になります
具体的には下記のとおりです。
↓用途:毎日使う↓ | ↓用途:保管↓ |
動線上 | 動線関係なし |
アウター | 旅行用のバッグ |
バックや財布 | 来客用の布団 |
浴室前にタオルや下着 | ストック系 |
特に日々使う収納は、「物を置きたい」と思った目の前にあると、無意識で部屋が片付くので、収納の設置場所は非常に重要です。
帰宅動線・食事動線・洗面動線・洗濯動線・就寝動線・来客動線・トイレ動線等々、様々な動線があるので、
物を置くタイミングにいる場所に収納を用意すると使いやすくなります。
収納の形状
使いやすい収納は、出し入れがしやすくなる形状(高さや奥行き)がポイントです。
様々な収納タイプ
引き出しタイプ
ハンガーをかけられるタイプ
屈まないでも入れられる高さ
扉が不要な収納
奥行きが浅い収納
パントリーなどの収納は奥行きが無い方が使い勝手が良いですし、
季節ごとに入れ替える服であれば収納量重視でスクエアタイプだと収納力が高まります。
利用場面を考えて、使いやすい形状を選択しましょう。
収納の寿命を考慮する
収納設計をするときは、2つの時間軸を考える必要があります。
この先もずっと使う収納か
10年後には必要なくなる収納か
家は40年近く住む間に、家族構成は移り変わっていきます。
子どもがいるときは必要だけど、巣立った後は利用しない収納スペースまで確保しようとしていませんか?
例えば、リビングにあるアウター用の収納は、時間が経っても使い続けます。
一方で、子どものランドセルは一時期しか利用しないので、
固定収納ではなくランドセルラックを購入したほうが良いです。
そうすることでランドセルラックが不要になったら、
家事の棚を置いたり、アクアリウムをしたり、ピアノを置いたりと、様々なことに利用できるからです。
収納といっても固定的な押し入れやクローゼット、土間収納にこだわらず、違う用途に使えるようにしておきましょう。
具体例:収納下手でもキレイがキープできる!
ここからは具体的に収納の場所・形状についてご紹介していきます。
ポイントは、動線上の収納は、奥行きが浅い方が使いやすいということです。
リビング
リビング付近には2つの収納があると使いやすいです。
広さは両方とも1マス(91㎝×91㎝)で十分です。
洋服のクローゼット
リビングは帰宅動線上にあります。
帰宅したら洋服はハンガーにかけて、
バックと一緒に所定のクローゼットに入るだけで
リビングが散らからなくなります。
夏は洗濯して乾いたらハンガーのままクローゼットに入れると畳む手間もなくなります。
クローゼットの下に2リットルのペットボトルをストックしておけば防災対策にもなります。
リビング近くには必須の収納です。
ペーパー系・掃除機
補充系で頻繁なのがペーパー類です。
- トイレットペーパー
- キッチンペーパー
- ティッシュペーパー
- ペーパータオル
リビング・キッチン・トイレの動線が重なる場所に収納を設置しましょう。
補充がスムーズなだけでなく、掃除機も置くと、サッと掃除できるので便利です。
キッチン
キッチンにパントリーは必須です。
ストックしつつ、使いたいときにすぐに使える便利さがあります。
ポイントは奥行きを短くすることです。
気づいたら賞味期限切れ…にならないようにするには、パントリーの奥行きは浅め、です。
洗面所
洗面所のポイントは、利用頻度に応じたメリハリをつけた収納にすることです。
主に洗剤系の収納が多くなりますが、利用頻度が低いストックは、上部の棚(高い位置の収納)も活用しましょう。
なんでも使いやすいところに置こうとすると、
ごちゃごちゃして逆に使いにくくなるので、
使いやすくするためには優先順位をつけましょう。
脱衣所・浴室前
浴室の入り口付近にはクローゼット必須です。
タオル・下着系を収納しておくことで、風呂上りにすぐに取り出せます。
収納の位置は、浴室の扉が開く側です。
服がカビる?収納がカビる?と思うかもしれませんが、入浴後は浴室に向けてサーキュレータを回すことで、カビが発生しなくなります。
玄関
土間収納は利用期間が短いので不要でした。
バギーを置く、来客時に玄関が綺麗、動線が多いといったメリットを感じられるのは入居後の数年のみです。
アウトドア用品など、汚れたものを室内に入れるくらいなら、屋外物置の使い勝手の方が抜群に良いです。
外の物置に収納できるもの
アウトドア用品(テント、寝袋、椅子等)
釣り道具、バケツ
車のスタッドレスタイヤ
スノーボード
子どもの自転車
土間収納よりも収納力が高く、汚れものの出し入れも気にならず、様々なものを収納できるので収納の寿命が長いのが、屋外の物置です。
吊戸の物置であれば、昔のように「扉が開かなくなる…」といった心配もありません。
子ども部屋のクローゼット
子ども部屋は利用期間が短いだけでなく、小さい方がフィット感があって心地よいので四畳もあれば十分です。
そこで活用したいのが高さを利用した収納です。
ロフトベッドにすることで縦の空間を収納に活用することができます。
クローゼットがなくとも収納ができ、不要になったら書斎などの別の空間として利用することもできます。
寝室クローゼット
寝室の収納は主にアウターやバッグを入れることになります。
夫婦の場合、2分割しても十分なスペースが確保できるよう、壁一面のクローゼットを用意したいところです。
クローゼットはスタイリッシュである一方、全開にすると扉が飛び出るので、ベッドを置く場合に干渉しないかチェックをしましょう。
寝室によく着る服を置くと、
パートナーが寝ているときに出し入れができない(音が出てうるさい)ので、
注意が必要です。
よく使うものはリビングの収納に入れることがおすすめです。
ウォークインクローゼット
収納効率を高めるため、高い位置・低い位置に棚を作るだけでなく、
奥のものが取り出せるような通路も確保しましょう。
取り出しにくい収納は使わなくなります。
通路幅をとることで、書斎にすることもできるので
ウォークインクロゼット内は通路必須です。
ウォークインクローゼットもたくさん詰め込むことよりも取り出しやすさを考慮して設計しましょう。
どこに何を収納するかが重要
いかがだったでしょうか。
収納したいものによって、収納の広さ・設置位置・形状が変わってきます。
リビングにはアウターをハンガーでかける収納
浴室前はタオルや下着系の収納
キッチンは奥行が浅いパントリー
寝室は出し入れの少ない洋服
季節ものはウォークインクローゼット
間取りや家族構成は千差万別なので、熟慮する必要があります。
では、満足できる収納を配置するのは作れるのか…?というと、答えはYESです。
その方法は選択肢を増やすことです。限られた時間の中で、間取りを考えつくすことです。
まずはあなたの土地の形状に合った無料プランをもらい、そこから修正していくことで時間の節約をしてみてはいかがでしょうか。
あなたの間取り設計が満足いくものになることを願っています。