秋といえば柿!!でも、スーパーで売っている柿は普通の味しかしないし、特に最近は買うことがなくなっていませんか?
イチゴは様々な品種と味の種類があるのと同じように、実は柿にもたくさんの品種や特徴のある柿があります。大きく甘柿と渋柿の2つに分類されますが、柿を選ぶときは、味や固さから選びましょう。
今回は、たくさんある柿の中から、3つの種類に分けて、特徴ごとにご紹介します。
- コリコリしていて甘みが強い柿
- シャリシャリして甘みは薄くさっぱりしている柿
- 柔らかくてゼリーのような柿
もし、いろんな柿の食べ比べをしたい!という方に向けて、特徴もまとめましたので是非ご覧ください。
オススメの柿はコレだ!
柿のレビューで甘いなどと書いていますが、甘さの感じ方は人それぞれなので、客観的には糖度でご紹介します。柿は甘さだけでなく、甘さの種類(さっぱり・ねっとり)や歯ごたえ、舌ざわりなど、色々な特徴があるので、お気に入りが見つかるよう
陽豊柿
富有柿×次郎柿で2つの良いとこを合わせた柿です。糖度は18度程度になります。コリコリしていて甘みが強い柿で、11月上旬から出回ります。富有柿よりも後なので、柿がスーパーに並び始めてから1か月くらいは見ることができません。
完熟時には糖度が18度位まで上がるとされていて、果肉はやや固めですが熟すにしたがって柔らかくなっている歯ごたえは、種無し柿に似ているとも言えます。
花御所柿(はなごしょ)
一番の特徴は、なんといっても糖度20度以上になる甘みです。しかし、この甘みが出るまで(渋が抜けるまで)時間がかかります。11月を過ぎて、実が赤くなって完熟しますので、12月初旬まで、首を長ぁ~くして待ちましょう。
ちなみにスーパーはもちろん、百貨店でもあまり見かけません。2019年は生協で1週だけ売っていました。
固さは種無し柿の舌ざわり、甘みは一口目(外側)よりも二口目(内側)の方が強く、一瞬は太秋柿のような印象を受けます。
甲州百目
柔らかくてゼリーのような柿です。品種としては「蜂屋柿」「江戸柿」「代白柿」「富士柿」などと同じとされています。
不完全渋柿のため、渋抜きをすると、トロっとした舌触りで、ゼリーを思わせるようなジューシーさがあります。食べごろは11月から12月初旬です。来年にならずとも、ここまで熟すのは凄いですね。
柿の効用
柿はビタミンCが豊富で(みかんの約2倍)、タンニン、ビタミンK・B1・B2、カロチンなど多くの成分を含んでいます。また。柿を食べると風邪をひかなくなり、医者にかかる人が少なくなるという由来から「柿が赤くなると医者は青くなる」ということわざがあるほど、栄養価がとても高いスーパーフルーツです。
期待される効果
風邪予防、美肌効果、高血圧予防、動脈硬化予防、脳梗塞予防、心筋梗塞予防、がん予防、二日酔い改善等々…挙げればきりがないほど効能があります。
柿に含まれるビタミンCが風邪予防や美肌効果があるだけでなく、柿のオレンジ色には、抗酸化作用のあるβカロテンのほか、同じカロテノイドの一種「βクリプトキサンチン」が多く含まれていて発がん抑制作用があるといわれています。
また、渋み成分のタンニンにはアルコールを分解する作用があり、さらに利尿作用のあるカリウム、酸化還元作用のあるビタミンCの相乗効果で二日酔いにも効果があります。
柿の食べ比べ
「富有はあごで食べ、次郎は歯で食べ、たねなしは舌で食べる」と言われていて、富有柿は果肉がやわらかく、「次郎柿」は硬めで、平核無はねっとりとした食感をしているところからこう言われてきたようです。今回、筆者が何種類も食べ比べてみて、その特徴をレビューします。
太秋柿(たいしゅう)
「富有柿」×{「次郎」と「興津15号」}=完全甘柿品種の太秋柿です。お尻に丸く円の模様があるものが甘いとされています。
さっぱりした甘みで、目をつぶって食べると「梨」かと錯覚する味わいです。梨はざらざらとした舌ざわりですが、太秋柿はシャリっとした歯切れ、梨のような甘み、甘柿の特徴でもある滑らかな舌触りが印象的です。
富有柿
日本で一番有名な柿かもしれません。日本で生産No1と言われており、10月下旬から出回ります。10月上旬から種無し柿や太秋柿、早秋柿、紀ノ川柿が出回っても、初めのうちは店頭にありませんので、探し回らないように気を付けましょう。
太秋柿とは違った歯ごたえで、ゴリっとした印象。噛んでいくと甘みが滲み出てきます。次郎柿と食べ比べましたが、次郎柿よりは確かに「甘い」といった印象です。
次郎柿
松本治郎吉氏が1844年に見つけたのが始まりと言われており、戦後、「治郎柿」から「次郎柿」へ変化したようです。
富有柿もゴリっという歯ごたえですが、次郎柿はさらに固くボキッという印象です。富有柿ほど甘みはなく、一方、固いと言っても果物ですので、噛んで気持ちの良い固さになっています。
紀ノ川柿
柿好きの中では有名な渋柿です。「柿の中で一番好き」という人もいるほどです。木に成ったまま、まだ青いうちにに、固形アルコールを入れたビニール袋を果実一つ一つに被せ、渋抜きをしています。
渋(タンニン)が水溶していると渋く感じますが、固形化することで渋みがなくなりますが、この固形化=黒い筋となります。
たしかに非常に甘いですが、好き嫌いがあると思います。黒いタンニンがザラザラした舌ざわりとなるためです。すっきりした甘みが好きな方は、太秋柿の方が合っています。
紀ノ川柿の糖度は16~18度と言われており、太秋柿や陽豊柿は糖度が18~20度よりは低くなっていますが、柿は甘さにも種類がありますし、歯ごたえ、舌ざわり等の複数の要素があります。近所のスーパーでも手に入りますので、ぜひチャレンジしてみてください。
種無し柿
スーパーで山積みになっている柿です。100円/個ですが、食べ時が良いと、ジューシーな果肉に、種があったはずの部分がコリっとし、甘み抜群の柿です。
今回、太秋柿と紀ノ川柿と一緒に食べ比べしてみましたが、甘さは他の2つに全く引けを取りません。太秋柿にはないジューシーさ、ネトッとした舌に絡みつく甘さは、まさに旬の味という印象です。
甘柿品種一覧
品種 | 固さ | 味わい・特徴 | 時期 | 糖度 |
次郎柿(じろう) | 固い | 上品な風味と、コリコリと歯ごたえのあるしっかりした味 | 10月中旬 | 16~18度 |
富有柿(ふゆう) | 固め | 日本の生産No1。肉質は若干粗いが、甘くて果汁が多め | 9月下旬 | 15~16度 |
松本早生富有(まつもとわせ) | 柔らかめ | 富有柿よりも1~2週間ほど早く成熟する他は、富有柿と大きな特徴の違いはない | 9月中旬 | 15~16度 |
御所柿(ごしょ) | 柔らかめ | 甘柿のルーツとも言われ小ぶりながらとても甘い柿。甘味が強くて粘り気のある食感。 | 11月後半 | 17~20度 |
花御所柿(はなごしょ) | 固め | 甘柿の中では最高とも言われ、甘さと少しヌメリを感じる柔らかな食感で、ほんのりと渋みが口に残る。 | 11月中旬 | 20度以上 |
伊豆柿(いず) | 柔らかめ | 果肉の軟化が少し早く、そのため、やや軟らかく緻密で果汁が多い | 10月上旬 | 14度から15度 |
愛秋豊(あいしゅうほう) | 柔らかめ | 果肉はしっとりとしていて、さっぱりとした甘み | 11月初旬 | 14度 |
太秋柿(たいしゅう) | 固め | 「富有」「次郎」「晩御所」「花御所」のすべてを掛け合わせた品種。甘み・水気も多く、シャリシャリした軽い食感。 | 10月上旬 | 17~18度 |
早秋柿(そうしゅう) | 柔らかめ | 早く熟し、甘みは中程度。果汁が多い。 | 10月上旬 | 14度~15度 |
夕紅柿(ゆうべに) | 柔らかめ | 果肉は柔らかめで甘くて果汁が多め | 11月中旬 | 15度 |
陽豊柿(ようほう) | 固め | 陽豊柿=「富有柿」×「次郎柿」。非常に多汁で甘く、肉質がやや硬い。 | 11月初旬 | 18度程度 |
新秋柿(しんしゅう) | 柔らかめ | 傷つきやすく、そこから軟熟しやすい欠点があり、凍らせてシャーベット等にすると美味しい。 | 9月下旬 | 18度 |
輝太郎(きたろう) | 柔らかめ | 酸味がほとんどなく、まったりとした甘さで、舌触りが滑らか | 10月上旬 | 17度 |
貴秋柿(きしゅう) | 柔らかめ | 滑らかで果汁が染みだす感じ。 | 10月中旬 | 16度 |
倉方柿(くらかたがき) | ― | 食後に口周りがベトつき、強い甘味がある。 | 10月上旬 | 23度 |
恋姫(こいひめ) | 柔らかめ | 超極甘。 | 10月下旬 | 23~26度 |
基肄城(きいじょう) | 柔らかめ | 味は富有柿。大きさが非常に大きい | 11月初旬 | 15~16度 |
こんなにあって、どれから試して食べてみようか迷う…
という方必見!!これなら有名どころの柿がいっぺんに食べられるので、一つずつの特徴を感じながらじっくり味わうことができます!
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