創意工夫

太陽光パネル廃棄費用の見積をとってみたらトンデモナイ金額だった!

太陽光パネルを載せるかどうか検討するとき、初期費用やランニングコストだけを検討して、廃棄費用のことは考えていない、なんてことはありませんか?

実は、太陽光パネルは住宅用25%、非住宅用が75%となっていて(資源エネルギー庁データ参考)、各家庭に対して廃棄に関する案内は少ない状況です。

しかしながら、当然、太陽光パネルも耐用年数が来れば壊れる可能性が高くなり、故障すれば廃棄しなければいけません。

そんなとき、廃棄費用がどのくらいかかるかを事前に知っておくことで、事前に積み立てておくことで有事の際に慌てないで済みます。

この記事では各家庭が太陽光パネルを廃棄するもしくは入れ替える際にかかる費用についてご紹介します。

一条工務店の提携業者に見積もりを取って見た

巷の情報が怪しすぎるので、一条工務店の営業さんにお願いして、見積もりを取得してみました。するとトンデモナイ金額が提示されたのです。

その額………約100万円強!

今でも思います。この見積もりが間違いであってほしい…その内訳は…ジャン!!

項目計算式(7KW)費用
太陽光パネル分解撤去費用42㎡×@6,000円/㎡約250,000円
太陽光パネル処分費用42㎡×@3,350円/㎡約140,000円
太陽光パネル電気切断工事(パワーコンディショナーまで)50,000円/1式50,000円
屋根の補修60,000円/1式60,000円
太陽光パネルを含む廃材運搬費用50,000円/1式50,000円
足場・養生費用(※)300㎡×800円/㎡240,000円
ガードマン2人×2日=4人80,000円
その他諸経費100,000円120,000円
小計990,000円
消費税90,000円
合計約1,080,000円

実は筆者も太陽光パネル購入時に、撤去費用は約30万円と甘く見積もり、20年あれば最終的に利益は出るだろうと考えていましたが、完全に捕らぬ狸の皮算用だということがわかりました。

世の中に出回っている多くの情報

撤去費用は約20万円~30万円と記載しているページが多くありますし、それを否定しているページでは150万円前後と記載しているページもあります。余りにも開きがあるので、これではいくら積み立てていいかわかりません。

ちなみに、多くの情報が20万円~30万円としている内訳は以下の通りです。

項目費用
足場代30坪強で約23万円(※1)
太陽光パネル廃棄10KWで約10万円(※2)
合計30万円程度

(※1)1坪8,000円が目安。足場の単価は700円~800円/㎡、養生シートの単価は200円/㎡程度が目安

(※2)高く見積もって1kWあたり1万円

例:我が家(35坪、約7kW)=(35(坪)×8,000円+7(kW)×10,000円)=350,000円→我が家は3階建てなので、少し高めに出たのでしょうか。

それにしても、撤去費用も管理費用も入れずに30万円くらいというには、あまりにも大雑把すぎる計算式ではないでしょうか。もし廃棄するときに150万円くらいしたら情報を出している人は責任を取ってくれるのでしょうか?もちろんとってくれません(私も責任はとれません💦)

太陽光パネルの廃棄費用計算式

太陽光パネルは産業廃棄物です。処理業者と処理委託契約書を事前に交わし、産業廃棄物管理票(マニフェスト)を準備するなど、適正な方法で処理する必要があります。この産業廃棄物である太陽光パネルを「廃棄」しようとすると、以下の費用が発生します。

項目単価計算式
太陽光パネル分解撤去費用@6,000円/㎡○㎡×6,000円
太陽光パネル処分費用@3,350円/㎡○㎡×3,350円
太陽光パネル電気切断工事(パワーコンディショナーまで)1式50,000円
屋根の補修1式60,000円
太陽光パネルを含む廃材運搬費用1式50,000円
足場・養生費用(※)@800円/㎡○㎡×800円
ガードマン20,000円/人2日×2人×20,000円
その他諸経費全体の10%100,000円
(※)2階建ての延べ床面積が約30坪(90m2)で外周が5m×9mと仮定すると、約200㎡

意外と高額になりそうな雰囲気ですが、インターネットの情報も探して比較してみました。

廃棄だけがすべてではない

一条工務店の場合、太陽光パネルは「屋根」として認定を受けているので、故障したとしても、法的に入れ替える必要や廃棄する必要はありません

一方、故障した機材が屋根に乗っていると、油や電源ケーブルが雨風にさらされ続けますので、経年劣化による思わぬ被害がある可能性も考えられます。

ともすると、放置するよりは撤去をするか、新しい太陽光パネルとの入れ替えという選択肢が望ましいと考えられます。

その時の資金次第ですが、もし耐用年数を迎えた場合、放置という選択肢もあることは覚えておきましょう。

まとめ

太陽光パネルの廃棄費用の見積もりを取得したところ

東京都内、3階建てi-smart、約7KW「約100万円強」

という結果になりました。

太陽光パネルの耐用年数20年で、今購入しても初期費用を回収するには10年ちょっとかかります。

残りの10年で利益を出せるのか?!というと、廃棄費用の積み立てを考えると、残りの10年で100万円の利益だと思っていた収入は、実は負債(引当金)だったのです。

もちろん20年後はリサイクルの技術が進み、見積もりが変わるかもしれません。ただ、保守的に考えると、太陽光パネルは廃棄費用まで考慮すると、

利益は出ないけれど、災害時に役に立つ

くらいに思って導入するべきではないでしょうか。これからは、当たり前のように電気を買う時代は終わるはずです。蓄電池の性能が上がることで、以下のような生活になる時代はそこまで来ています。

  • 太陽光パネル電力を使い、
  • 夜は昼に余った電気を蓄電池に貯め、
  • 蓄電池電力でまかなう

今後は蓄電池の価格破壊が起これば、あっと言う間に広まるでしょう。パナソニックと提携したテスラ2020年春に新製品を発売し、現行他社の半額~1/3という価格設定をしています。数年すれば各社が価格を下げ、不具合もなくなった蓄電池が普及すると思います。

結論:太陽光パネルで捕らぬ狸の皮算用はやめよう