全館冷房

誰にでもできる!高気密・高断熱住宅を100%活用できる設計

高気密・高断熱を謳う家を契約すれば、快適な生活を待っていると思いますか?実は、勉強せずに立てると、高気密高断熱の家だからこそ、快適でなくなる可能性もあります

高気密・高断熱住宅を100%活用できる設計を、我が家が建てた一条工務店を前提にご紹介します。

この記事では、以下の3点だけ抑えれば、冬だけでなく梅雨~夏、さらに冬もより快適性が確保できる方法を紹介します。

  • 日射熱管理(春~梅雨の中間期)
  • 湿度管理(最大のポイントは除湿)
  • 温度管理(冬のための玄関設計)

(注釈)本記事は一方的に敬愛するフエッピーさんまぼこさんの情報発信をもとに、自分なりに理解・実践した内容を記載しています。(リンクがNGな場合はご連絡ください)

お二人のブログはわかりやすい中に専門性がたっぷりなので、ド素人のコタローがさらにかみ砕いて理解したつもりの内容になっています。

・日射熱の遮熱

高気密高断熱の家は魔法瓶を比喩されます。

窓から取り込んだ日射熱は室内に留まる(壁(石膏ボード)に含まれる水分に蓄熱)ため、春から熱帯夜になりかねません。

この日射熱を管理するには2つの対策があります

  • 南側のみ大きな窓を設置(それ以外は最小限)
  • 春から秋は、窓の外にシェードを設置し、外で日射熱を遮断

日射熱に対する我が家の設計ポイントは3つ。

  • 天井まである掃き出し窓は全て南側のリビングのみ
  • 個室の採光は小さい窓で十分確保
  • 外壁タイルにアイプレートを設置し、春にはサンシェードを設置

アイプレートは施主が準備し、現場監督に相談すると、タイル屋さんの出張費だけで手配してくれます。

特に開放感を望む施主は窓を小さくすることに抵抗感を持つ場合も多いと思います。

しかし、実際のところ、採光は窓にあまり関係がないことはプロのブログを見れば載っていますが、常識になりつつあります。

加えて窓が小さいというのは都内であれば外からの目線対策にもなります。

さらにカーテンのコストカットにもなり、一石三鳥(断熱・目線対策・コストカット)です。

【おすすめの窓】採光あり・外からの視線カット・壁も有効活用

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どんなに高性能な窓でも外壁の断熱には全く歯が立ちません

高気密高断熱を最大活用するためにも窓は最小限にする必要があります。(Q値にも影響します)

湿度管理(最大のポイントは除湿)

高気密高断熱の家で快適に過ごすには、温度管理だけでは足りません。

不快指数」には湿度が重要な要素です。

温度管理はエアコンにより簡単にコントロールできますが、

湿度管理はエアコンの特性を理解したうえで「意識して使わないと」使いこなせません。

湿度管理の具体的方法は、2つだけです。

ただし、この2つは必ず必須です。絶対に。

  1. 再熱除湿機能のあるエアコンを設置すること(結論としては、8畳用で1軒全体をカバーできます)
  2. 階段を登り切った場所にエアコンを設置すること(平屋であれば、人が常駐せず、温かい空気のたまるところ)

重要なのは、これだけです。

梅雨の時期、除湿はエアコンでするのが最もコストパフォーマンスが高いです。除湿器なんて歯が立ちません。

一方で、エアコンで除湿をし続けるためには、冷えていない空気が必要です。

  1. 夏の時期はまだしも、梅雨の時期に高気密高断熱の家で除湿(除湿=冷房)をすると、家が冷えてしまいます
  2. そのため、除湿した後に空気を温めて排出してくれる「再熱除湿」機能が必須です。
  3. 電気代は若干高くなるものの、その快適性は費用に見合うものになるでしょう。
  4. 夏の時期でさえ、高気密高断熱の家では直ぐに家の中は冷えます。しかし蓄熱までは冷やせません。24時間除湿し続け、蓄熱を冷やしましょう。

蓄熱とは壁(石膏ボード)の中の水の温度と置き換えることができます。空気中は冷えても蓄熱まで冷えないので、エアコンを消す夜に熱帯夜になるのです。

対策として、24時間全館除湿(冷房)があります。(24時間冷房をするのではなく、24時間除湿をする、ということが目的です)

そのために、常時、冷たくなく、湿気が集まる階段上へのエアコン設置が必須なのです。

(湿度は上昇冷気は下降します)

春~夏、快適に過ごすためには湿度コントロール(除湿)が必須であり、除湿し続けるためには、エアコンが除湿で動き続ける場所に設置が必須です。それでも春、部屋の空気が冷たくなることで除湿しなくなることを想定し、再熱除湿の機能も保険として必須なのです。

ここまでは春~夏にかけての注意点でしたが、次は「冬」の注意点です。

温度管理(玄関の設計)

これまで春・夏の設計について記載してきましたが、冬は全館床暖房であれば、何も考えないで設計しても快適なのでしょうか。

そんなことはありません。冬、より快適に過ごすためにはコールドドラフト対策が必要です。

  • 玄関とリビングの間に扉をつけること
  • 玄関の床暖房のエリア分け

最も滞在時間の長いリビングと玄関の間に扉をつけ、床暖房のエリアを分離しましょう。

自然の摂理において、冷たい空気は下降します。次に、冷たい空気は温かい空気に向かいます。そして冷たい空気は温かい空気と混ざるように動きます。

つまり、寒いと感じるのは、温度差に対してです。リビングが26℃。廊下が22℃だと、リビングは寒さを感じます。リビングが24℃。廊下が24℃であれば、寒さは感じません

しかしそううまく温度管理ができません。なぜなら玄関の扉は断熱性能が低いからです。

もちろん床暖房のエリア設定で玄関を分離し、そこだけ温度を上げることも有効です。

加えて、床暖房のヘッダーボックスを玄関に配置することも有効です(床暖房のパイプが集まるので温まりやすい)。しかしながら、ヘッダーボックス設置位置は間取り作成において、家事動線などに比べると優先順位が低いです。

高気密高断熱住宅を100%活用する

一条工務店であれば全館床暖房なので、冬の快適性は疑う余地がありません。ただそれは1年の1/4。冬だけ、しかも部屋だけが快適でしょう。

当コンテンツは、1年中、快適に過ごすためのポイントです

春から秋は、実は「湿度」との闘いです。

これをコントロールすることで一年中快適な生活が可能です。

一生のうちで、おそらく一番高い買い物をし、冬だけが快適ではコストに合いません

 

ぜひ、一工夫して、一年中快適な生活を手に入れてください

住宅の購入は家の購入ではなく「快適な生活」「みんなが笑顔」「幸せ」であってほしいと願っています。