子育て

3歳で身長が伸びない時は必ず検診につれていくべき理由

子どもが生まれて産院から自宅へ帰った後は初めての不安もたくさんあったと思いますが、成長につれて心配は尽きません。

健康に育ってくれるか、障害はないのか、というのは大きな心配の一つだと思いますが、日本では母子保健法において1歳6か月検診と3歳児検診が義務付けられています。

なぜかというと、過去の歴史から、このタイミングで発達の異常があると気づきやすく、発達障害というものは早期発見・早期対応で、大人になった後に不自由さが大きく残るのか、あまり残らないか、という大きな分岐点になるということがわかっているためです。

そんな中、1歳6か月を過ぎ、3歳になっても身長が平均よりも低い、ということで悩んでいませんか?

もしかするとSGA性低身長症(Small‐for‐Gestational Age)の可能性もあります。成長曲線を見たことがあると思いますが、実は100人のうち2~3人くらいの割合で-2.0SDという枠からはみ出るケースがあります。

この記事では、SGA低身長症の特徴や早期発見、早期対応による回復の有効性だけでなく、もしSGAでなくても身長を伸ばす方法についてご紹介しますので、お子さんの伸長を少しでも伸ばすことができるようになります。

SGA低身長症は、現在の医学で対応可能な病気

お子さんが生まれると、身長や体重については標準に収まっているかどうかが健康のバロメータになります。そのため、以下のような一般社団法人日本小児内分泌学会が公開している「標準の成長曲線」の枠内に収まっているかどうかが重要です。

もしあなたのお子さんが-2.0SD以下だった場合は、必ず定期健診(1歳6か月、3歳)で医師に相談しましょう。実は、1歳6カ月では判断できないことが多いので、3歳までは様子を見ることになるはずです。

一方、もしSGA低身長症であっても焦る必要はありません。低身長症は原因と対策がしっかりしていれば、かなり高い確率で対応可能な病気です。

SGA低身長症とは

SGA性低身長症とは「Small‐for‐Gestational Age」の略で、お腹の中にいる期間(在胎週数)に相当する標準身長・体重に比べて、小さく生まれ、身長と体重が100人中で小さい方から10番目以内に入ると、SGAと判断します。

そのうち約90%は、2~3歳までに成長が追いつきますが、追いつかない場合は、SGA性低身長症が疑われますが、現在の医学では、早期発見・早期対応で、障害を感じさせない身長になる可能性が高いため、「早期発見・早期対応」が最も重要なポイントです。

低身長を疑ったときに目にするキーワードはSGAのほかに、成長ホルモン分泌不全性低身長症(GHD)があります。

SGAの診断には成長ホルモンの分泌量が重要ですが、一定の基準以下の分泌量だった場合、GHDの診断になるケースがあります。

SGA性低身長症のリスク

SGA性低身長症と聞くと、身長が低いだけで健康には問題ないと思うのは早とちりです。実は、放っておくと背が低いだけでなく、大人になってから肥満糖尿病への影響も懸念されているので、「身長だけなら」と考えないようにしましょう。

おそらく低身長であることから基礎代謝が落ちることで肥満になりやすいだけでなく、GH 投与量の過量に伴う潜在的な有害事象の発生リスクもあります。

治療をしない選択肢はありませんが、治療にリスクがあることも十分に医師から聞きましょう。

成人する時の身長

SGA性低身長症は治療の結果、何をもって完治=治癒率(何をもって治癒とするのか)の定義の問題もあり、日本においては調査が余りされておりません。

しかしながら、点在する結果を見ていくと、何もしないと120cm~140cmくらいで成人するところ、平均値として、女の子は140cm~150cm男の子は150cm~160cmくらい(※)は望めるくらいになることが分かっています。

良い事なのか良くない事なのかはさておき、「平均より少し身長が低いな」くらいの印象となり、「この人は障害を持っているんだろうな」という感覚は非常に薄れます。

治療の方法が成長ホルモンの投薬なので、早く投薬を始めたほうが(早くて3歳)成長期に身長を伸ばすことに繋がります。中学生になってから発見されると、それまでに伸びなかった+その後伸びる=伸びきらない、といったことになります。

(※)2001年の成長科学協会のデータベースの解析による成長ホルモン分泌不全性低身長症における成長ホルモン治療後の成人身長:男子は160.3cm、女子は147.8cm

3歳児検診が最重要

日本では母子保健法において、1歳児半検診・3歳検診は市区町村に実施を義務付けられており、その受診率も90%を超えています。

1歳児半検診は、明らかな知的な遅れや健康面の心配などがわかるケース以外は「注意して継続的に見ていきましょう」という回答になりますので、成長ホルモンや臓器の問題、発達障害等は3歳児検診において発見されることが多い状況です。

1歳児半検診では「虐待がないか」「聴力・視力に問題はないか」「虫歯はないか」「言葉の発達」がメインです。もちろん奇声を発していたり、ずっと走り回っているなどの発達障害も対象ですが、1歳児半ではわからないことが多く、結果は3歳児検診に持ち越しになります。

3歳になってくると「個人差」よりも「平均」という考え方でグループが作れるようになってきます。そのため、身長・体重も平均に対して比較できますし、行動から知的障害も見つけやすくなる時期です。

つまり、身体の成長とともに、成長ホルモンが正常に分泌されているかどうかがわかるのも3歳前後です。

もしここでSGA性低身長症と診断された場合は「成長ホルモン」による治療となります。一方、ここで診断がされなかった場合には、治療ではなく「生活」で子供の成長を促してくことになります。

親にとっては重要に感じる「身長」について、これにより「成人する時の身長」でもお伝えした通り、一般的にいる背の低めの人というレベルに落ち着きます。

日常の生活でできる身長を伸ばす3つのポイント

もしSGA低身長症ではないと診断された場合、身長を伸ばすポイントは3つあります。

  • たんぱく質をしっかり摂取すること
  • 成長期を見逃さずにダイエットをしないこと
  • 睡眠の質が重要

たんぱく質

体の成長にもっとも大切なのはタンパク質です。タンパク質は、体のあらゆる細胞を作る大切な栄養素であり、非常に重要ですが、それ以上に重要なのが「たんぱく質」だけを食べていれば良いということではありません。バランスよく食べることが重要です。

タンパク質だけではなく、「脂肪」、「炭水化物」、「ミネラル」、「ビタミン」、などの成長に欠かすことのできない栄養素をバランスよくとるようにしましょう。

実は理化学研究所の遺伝子研究の成果では、日本人は身長が低くなる遺伝子変異があったと発表しています。加えて、他の研究者はイヌイットにも身長が低くなる遺伝子変異があるという発表もされています。

寒いところにいるイヌイットは基礎代謝を減らすことで必要摂取量を減らすことで生存確率を上げてきたのではないでしょうか。日本人についても飢饉や疫病、江戸時代の政策によって満足に食べられない時代が続いたことが影響しているのかもしれません。身長が低い人が生き残り、生存確率のプログラムに書き込まれたのでしょうか。

睡眠が重要

睡眠が重要であることは誰もが理解することでしょう。寝てるときに成長ホルモンが多く分泌されるので、「寝る子は育つ」という昔の人の格言は的を得ているのです。

一方、子どもにとにかく「寝ろ」といっても寝るわけでもなく、親が添い寝をしたり、毎日寝る時間を同じにしてリズムをつけたり、日中の時間帯に体を動かす遊びをしたりすることで、睡眠導入のリズムを作っていきましょう。

成長期を見極める

実は子どもの身長はグンっと伸びるタイミングがあります。もし毎月身長を測れるとしたら、3カ月連続で身長の伸びることがあります。大事なのは、そのタイミングではダイエットせず、たんぱく質をしっかりとることです。

おにぎりやカップラーメンなどの炭水化物の過剰摂取は逆効果です。今はコンビニにサラダ用の鶏肉がたくさん売られています。いろんな種類もあるので、安くて手軽にたんぱく質を摂取するには最適な食事です。

まとめ

身長・体重が「高すぎる・低すぎる」、「多すぎる・少なすぎる」は成人した後になっての健康リスクに直結します。親として我が子が健康に過ごしてもらうために重要なのは「早期発見・早期対応」です。

もし平均値から外れていたとしても、悲観しすぎず、かといって楽観しすぎず、医師と相談しながら我が子を見守ってあげることが治療の結果に結びつくことは言うまでもありません。

少し長い目線で、かといって後手に回りすぎずに、定期健診でしっかり経過を観察していきましょう。