✓ 外構は、いつから設計を開始すればいい?
✓ フェンス、駐車場、玄関ポーチ…完成イメージが付かない…
注文住宅の間取り設計をしていて、ふと、「外構工事っていつから動き出せばいい?」ということはありませんか?
ハウスメーカーは、間取り設計が終わったら「外構業者を紹介することも可能ですよ?」くらいしか言ってくれません。つまり自分で動く必要があります。
でも、外構工事と言っても、駐車場設計からフェンスの高さ、屋外設備の配置まで、専門性が高く、難しい…
そこで本記事では、外構計画で押さえるべき10の重要ポイントを解説します。
これから外構計画を始める方は、この記事を参考にすることで、「もっと早く知りたかった」と思える外構の知識が手に入り、将来の後悔を未然に防ぐことができます。
間取り設計と同時進行で外構計画を始めることで、理想の住まいを内側からも外側からも実現しましょう!
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外構工事の理想的なタイミングと費用計画|失敗しない準備術
外構工事は「いつ始めるか」と「いくら使うか」が成功の鍵です。適切なタイミングで計画を始め、予算配分を明確にすることで、後悔のない外構づくりが実現します。
何ヶ月前に始める?プロが教える外構着工の最適タイミング
外構計画は間取りがほぼ決まった時点から始めるのがベストです。
- 建物・窓・玄関の位置の確定: 複数の外構業者から見積取得
- 引き渡し3ヶ月前: 外構業者を決定し、詳細打ち合わせ
- 引き渡し1〜2ヶ月前: 外構工事の契約締結と資材手配の開始
早めに計画を開始することで、住宅完成と同時に外構も完了させることができ、スムーズな新生活のスタートにつながります。
予算オーバーを防ぐ!外構費用の理想的な配分比率と相場
外構費用は住宅本体価格の10〜15%が目安です。この予算を効果的に配分することが重要です。
外構工事で予算オーバーしてしまうケースは非常に多く、その主な原因は、見積を取らず、「外構工事ってこれくらいの金額だろう」という先入観です。
中には、地盤や坂などの特殊事情で高額になるケースもあります。そのため、複数社から見積もりを取ることで、総額を掴んでおくことが重要です。
外構工事の予算目安
3,000万円の住宅の場合、外構予算は300〜450万円(住宅本体価格の10〜15%)が目安です。
外構要素 | 配分比率 | 予算額(300万円の場合) |
---|---|---|
駐車場・アプローチ | 30〜40% | 90〜120万円 |
フェンス・門扉 | 20〜25% | 60〜75万円 |
植栽・庭 | 15〜20% | 45〜60万円 |
照明・電気設備 | 10〜15% | 30〜45万円 |
その他(物置・ウッドデッキなど) | 10〜15% | 30〜45万円 |
優先順位を明確にし、段階的に整備することで、予算オーバーを防ぎながら理想の外構を実現できます。
例えば、第一期工事で駐車場・フェンス・基本照明を完了させ、余裕ができた時点で植栽やウッドデッキなどの第二期工事を実施する方法があります。
外構予算は住宅本体の10〜15%を目安に、優先順位をつけて段階的に整備することで、予算オーバーを防ぎながら外構工事を進めることも可能です。
車の買い替えも安心!失敗しない駐車場の外構計画ポイント
駐車場の設計は、外構計画の中でも特に重要です。将来の車の買い替えや家族構成の変化を見据えた計画が必要不可欠です。ここでは、失敗しない駐車場設計のポイントを解説します。
将来も困らない!最適な駐車スペース寸法と間口設計のコツ

将来の車種変更や前面道路の幅を考慮した駐車スペースの確保が重要です。
- 1台用最小寸法:幅3.0m × 奥行き5.5mは欲しい
- 前面道路4mの場合、間口3.6m以上は欲しい
- 前面道路6mの場合、間口3.0m以上は欲しい
例えば、3ナンバーワンボックス車の場合、車両幅1.7mにドア開閉スペース0.9mを加えると最低2.6mの幅が必要ですが、余裕を持って3.0m確保するのが理想的です。
前面道路が狭いほど、スムーズに駐車するための間口は広く取る必要があります。

前面道路幅 | 4m | 5m | 6m | |
---|---|---|---|---|
必要な車庫間口 | 前進で直角駐車の場合 | 3.6m | 3.3m | 2.3m |
後進で直角駐車の場合 | 3.3m | 2.6m | 2.3m |
引用元:車のサイズや敷地条件について
我が家は、前面道路5.5メートルに対し、ポーチを削って間口を3.3メートルにしたことで、運転が特段得意でない私であってもストレスなく入出庫が出来ております。
ちなみに、駐車場の横幅は「2.4m」です。
十分な駐車スペースと間口幅を確保することで、将来の車種変更にも柔軟に対応できます。
雨水トラブルを防止する!正しい勾配と排水計画の基礎知識

適切な勾配設計と排水計画は、生活に直結するする重要なポイントです。
- 適切な勾配: 1〜2%(100cmあたり1〜2cm)
- 排水経路の確保: なめらかな勾配
- 排水設備の選択: 30cm角以上
例えば、5m×5mの駐車スペースの場合、端から端まで5〜10cmの高低差をつけることで、適切な排水が可能になります。また、駐車場の端に排水溝を設置し、雨水桝へと誘導する設計が効果的です。
ケチって固まる砂にしたところ、雨水が綺麗に排水できず、蚊が発生するという最悪の事態に。。。
そのため、我が家は2回、外構工事をしました…
適切な勾配と排水設備の設置は、生活に直結するので、ケチらず、確実に排水される設計をしましょう。

車両の重さに耐える!排水桝選びで絶対に押さえるべき耐荷重基準
駐車場の排水桝は、車両の重量に耐える十分な強度が必要です。
排水桝や点検口は、そもそも駐車場に設置すべきでないですが、筆者宅のように、どうしてもそこにしか設置できないケースもあります。
そんな時は以下のポイントに注意しましょう。
- 耐荷重性能: T-6規格以上
- 設置位置: 車輪が直接かからない位置
- 蓋の種類:普通鋳鉄または鋳鉄製
例えば、一般的な乗用車の場合、T-2規格でもギリギリOKそうですが、T-6を選択することで、将来的な車両の大型化にも対応できます。
適切な耐荷重性能を持つ排水桝を選択することで、長期的な安全性と耐久性を確保できます。
隣の目が気にならない!プライバシーを守るフェンス計画
外構計画において、フェンスはプライバシー確保の要となります。適切な高さと素材、そして設置方法を選びましょう。特に角地では風対策も重要なポイントです。
通行人からの視線をブロック!最適なフェンスの高さと素材選び

解放感は欲しいけどプライバシーは確保したい、そんなときのフェンスの高さは、1.8m~2.2mの高さにしましょう。
- 1.8m:部屋の中の床から1.5mの高さまでの視線から遮断(室内で立っていると、外から顔が見えるが、座っていれば見えない)
- 2.2m:設置できる最も高いフェンス。部屋の中の床から1.9mまで遮断できるので、通行人と目が合うことはほぼ無い
一般的に、高いフェンスは閉塞感や見栄えが悪いと言われますが、最近のフェンスは見た目が軽量なので、そこまでの圧迫感はありません。
筆者は、1.8mのフェンスにしたうえで、窓にカフェカーテンを設置しました。
夏はサンシェードを設置することで、1.8mのフェンスでも外からの視線は気になりません。
ブロック上にフェンスを設置する場合は、建築基準法施行令「第4節の2 補強コンクリートブロック造 第62条の8」により、ブロック塀とフェンスの合計高さを2.2m以下にする必要があるので注意しましょう。
角地の強風対策!風の通り道を考慮したフェンス設計テクニック
角地は風の影響を受けやすいため、風を通す設計が重要です。台風の時など「ギシギシ」いうと心配なので、風を逃がすタイプのフェンスを選びましょう。
- スリットの入ったタイプ(縦の方がプライバシー保護にオススメ)
- 支柱間の距離を通常の2.4mより短い1.8m程度にする
支柱間の距離は、指定しなければ通常の施工をされてしまうので、風が強い地域の場合は必ず伝えるようにしましょう。
生活が便利になる!外構計画に組み込むべき実用的設備
外構計画では、見た目の美しさだけでなく、日常生活を便利にする実用的な設備の配置も重要です。特に屋外コンセントや室外倉庫は、後から追加するとコストも手間もかかるため、初期段階で計画しておきましょう。
EV時代に対応!後悔しない屋外コンセント配置と数量の決め方
屋外コンセントは、将来のニーズを見据えることがポイントです。ちなみに、屋外コンセントは、外構ではなく建物本体の設計(電気設備)に入ってくることもあるので、外構計画とセットで設計しましょう。
- 駐車場:EV充電用(200V・20A以上)
- 玄関周り:掃除機、電動工具用(100V・15A)
- 庭・ウッドデッキ:ガーデニング、BBQ用(100V・15A)
- 家の四隅:イルミネーション用(100V・15A)
家の4つ角に1つずつ屋外コンセントを設置することがオススメです。
車の清掃、高圧洗浄機、災害時の屋外作業など、様々なことに対応することを想定しましょう。
屋外コンセントは後付けが困難なため、将来の電化製品使用も見据えて、各エリアに最低1箇所は設置しておくことをおすすめします。
収納に困らない!目的別に選ぶ最適な物置ガイド

物置は、入れるものがたくさんあるので、あると非常に便利です。ただ、使い勝手が悪いと物置のものを取り出さなくなり、不要なものばかり入れるようになってしまうので、機能面から探すようにしましょう。
- 吊り戸方式:レールに砂や埃が入っても開閉しやすいタイプ
- 2重構造の断熱物置:熱さに強い
- ガルバリウム鋼板:錆に強い
屋外物置には、家の室内には保管したくない系のものが多いです。
夏を乗り切る外構設計
外構設計は、特に梅雨から夏にかけて、快適性が大きく変わります。日射熱対策、風の流れ、水はけなど、自然環境に適した素材を使うのが重要です。
真夏でも素足で歩ける!日射熱に強いウッドデッキ材の選び方
ウッドデッキは素材選びで夏の暑さ対策が大きく変わります。
- 天然木:高密度で熱を溜めにくいが、衝撃に弱く水を吸収しやすくメンテナンスが大変
- 彩木 :熱伝導率が低く、熱容量も少ないため、熱を溜めにくく、部材温度が気温に左右されにくい
- 樹脂系:熱伝導率・蓄熱性が高く、一度受けた熱をため込みやすい
熱伝導率を優先させるのであれば「彩木」がオススメです。ウッドデッキは彩木を選ぶことで、真夏でも快適に使用できますよ。
用途・場所別に選ぶ!7種類の舗装材とその特徴を徹底解説
舗装材ごとのメリット・デメリットとコンセプトを理解し、目的に合わせて選びましょう。主要舗装材のコンセプトとメリット・デメリットを解説していきます。
コンクリート舗装:耐久性重視・メンテナンス最小化
- メリット :耐久性が高く、メンテナンスが少ない
- デメリット:夏場は表面温度が60℃以上に上昇する熱さは受け入れる必要あり
- 適した場所:長期間使用する駐車場、車の出入りが多い場所
インターロッキングブロック:デザイン性重視・部分補修可能
- メリット :デザイン性が高く、部分補修が可能
- デメリット:目地の雑草対策と定期的な高圧洗浄は避けられない
- 適した場所:玄関アプローチ、来客用駐車スペース
アスファルト舗装:コスト重視・即日使用可能
- メリット :コストが比較的安く、施工後すぐに使用可能
- デメリット:夏の暑さと経年劣化によるひび割れは覚悟する必要あり
- 適した場所:広い駐車場、車の通行が多い場所
ドライテック:環境配慮・水たまり解消
- メリット :雨水の地下浸透を促し、水たまりができにくい
- デメリット:防草シートを敷いても長期的には雑草や小石で目詰まりする可能性
- 適した場所:環境に配慮したい駐車場、水はけを重視する場所
固まる砂(樹脂舗装):自然感重視・低コスト
- メリット :自然な風合いと適度な硬さ、比較的安価
- デメリット:日陰部分の水はけの悪さによる蚊の発生や苔の繁殖は避けられない
- 適した場所:庭の小道、ナチュラルな雰囲気を重視する場所
砂利舗装:最低コスト・DIY可能
- メリット :最も安価で、素人でも施工可能、透水性に優れる
- デメリット:雑草対策と定期的な補充・整地作業は必須と考える
- 適した場所:予算を抑えたい場所、一時的な使用場所
ウッドチップ舗装:安全性重視・自然素材
- メリット :クッション性があり、転倒時の衝撃を吸収
- デメリット:腐食による虫の発生と年1回程度の補充は避けられない
- 適した場所:子どもの遊び場、自然志向の庭
舗装材は完璧な選択肢はなく、何を優先し何を妥協するかを明確にした上で選ぶことが重要です。
例えば、駐車場に透水性コンクリートを選ぶ場合、「水たまりができにくい」メリットを重視するなら、「雑草対策が必要」というデメリットは受け入れる必要があります。
個人的にはドライテックに魅力を感じますが、どの外構業者も「お勧めしません」と言ってきます。雑草対策が大変なようです。
外構業者に断られること覚悟で提案しましょう。
まとめ
注文住宅で多くの方が陥る落とし穴—間取りに集中するあまり、外構計画が後回しになってしまうことです。本記事でご紹介した10のポイントは、理想の外構には欠かせません。
一方で、気づけば引き渡し直前、「もう時間がない」と妥協した外構で後悔することに…。
しっかり検討するには時間が必要です。
各業者の専門知識や提案を比較することで、駐車場設計のアイデア、フェンスの素材選び、排水計画など、それぞれの「得意分野」の良いところどりができる面もあります。
一社だけでは気づかなかった視点や工夫が、別の業者から提案されることも少なくありません。
賢い選択は、間取り検討と同時並行で外構の見積もりを取ること。外構業者は概算でも見積を出してくれます。
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