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快適設計

照明選びで迷わない!種類と選び方完全ガイド

照明の種類があまりにも多く、どれを選べばいいのか分からない

ハウスメーカーからは「標準的な照明で十分」というアドバイスのみ

各部屋に合ったおしゃれな照明を設置したい

照明は家の雰囲気や使い勝手を大きく左右するのに、多くの人が設計の最終段階まで後回しにしてしまいます。その結果、「もっと早く知っていれば」と後悔するケースが非常に多いのです。

この記事では、シーリングライトやダウンライトなどの基本的な照明の種類から、調光調色機能、間接照明の活用法、部屋ごとの最適な照明選びまで、初心者にもわかりやすく解説しています。

照明は後からの変更が難しいですが、そこまで費用が大きく変わるものでもないので、照明計画が重要です。この記事を参考に、後悔しない照明計画を立てましょう。

家づくりで知っておきたい照明の種類と特徴

照明は、種類によって光の広がり方や設置場所が異なるため、間取りや使い方に合わせて選ぶことが大切です。初めての家づくりで「照明の種類がわからない」という方のために、基本的な照明の種類と特徴を解説します。

シーリングライトってどんな照明?

シーリングライトは天井に直接取り付ける最もスタンダードな照明です。部屋全体を明るく照らすことができ、リビングや寝室によく使われます。

シーリングライトの特徴
  • 最も安価
  • 設置が比較的簡単
  • 調光・調色機能付きの商品が多い

たとえば、12畳のリビングなら約8000ルーメン以上の明るさのものを選ぶと適切な明るさになります。最近の商品は薄型で圧迫感がなく、スマホで操作できるものも増えています。

最もシンプルで安価ですが、光源が部屋の中央・1カ所なので、部屋の端は暗くなり、学習机に座る際は、後ろから光が差すので陰になってしまいます

ペンダントライトはどこに合う?

ペンダントライトは天井から吊り下げるタイプの照明で、ダイニングテーブルの上やキッチンカウンターなど、特定の場所を照らすのに最適です。

ペンダントライトの特徴
  • 空間にアクセントを加えられる
  • 目線の高さに近い位置で明るく照らせる
  • デザイン性が高く、インテリアの主役になる

ダイニングテーブルの上に設置する場合、テーブル上面から70〜80cmの高さに取り付けると見た目も機能も丁度よくなります。複数並べると統一感が出ておしゃれです。

テーブルや作業スペースを効果的に照らしたい場所には、ペンダントライトが実用性とデザイン性を両立させる良い選択です。

壁につけるブラケットライトの使い方

ブラケットライトは壁に取り付ける照明で、間接照明や補助照明として使われます。廊下や階段、トイレの脇などに設置すると効果的です。

ブラケットライトの特徴
  • 壁面を美しく照らせる
  • 天井が低い場所でも圧迫感を与えない
  • 夜間のガイドライトとして安全性を高める
  • シンプルな空間に奥行きを出せる

例えば、廊下に3メートル間隔で設置すると、足元を照らしつつ夜間の移動も安全です。上向きタイプと下向きタイプがあり、上向きは天井に光を反射させて広い範囲を柔らかく照らします。

壁の装飾としても機能するブラケットライトは、実用性とデザイン性を兼ね備えた優れた照明選択です。

ダウンライトのメリット・デメリット

ダウンライトは天井に埋め込むタイプの照明で、すっきりとした印象を与えます。廊下やキッチン、洗面所などの天井に多く使われています。

ダウンライトの特徴
  • 天井がすっきりとして広く見える
  • 複数設置して明るさを調整できる
  • ライトに埃が溜まらないので、掃除が不要

一般的に2〜3畳に1個の割合で設置すると均一に明るくなります。北側の暗い部屋でも、ちゃんと設計すれば、全く暗く感じることはなくすることが可能です。

ただし、工事が必要なため後から位置を変えるのは難しいのがデメリットです。

スタイリッシュで清潔感のある空間にしたいなら、ダウンライトの導入がオススメです。

ダクトレールライトでできること

ダクトレールライトは天井に取り付けたレールに照明器具を自由に配置できる仕組みです。照明の向きや位置を変えられるので、インテリアの変更にも対応しやすいのが特徴です。

ダクトレールライトの特徴
  • 照明の位置や向きを自由に変えられる
  • 照明器具の数を増やしたり減らしたりできる
  • 後からでも照明の種類を変更できる
  • 部屋のレイアウト変更に対応しやすい

リビングの壁面を飾る絵画や写真を照らしたり、ダイニングテーブルの位置を変えても照明の位置を調整できたりします。将来の変化に対応できる柔軟性が魅力です。

インテリアに合わせて照明を自由に配置したい人には、ダクトレールライトが最適な選択肢です。

我が家はダウンライトで「明かり溜まり」を作ったところ、家具の微妙な配置で、光の切れ目が発生。
ダクトレールライトにすればよかった…

シャンデリアを選ぶときのポイント

シャンデリアは豪華で華やかな印象を与える装飾的な照明です。エントランスや吹き抜けのリビング、上質な雰囲気を出したい寝室などに適しています。

シャンデリアの特徴
  • 空間の中心的な存在感を持つ
  • 独特の陰影で豊かな雰囲気を作る
  • 来客へのおもてなし感を演出できる
  • 部屋の高級感を高められる

設置する場所の天井高は最低でも2.4m以上あることが望ましく、シャンデリアの下端は床から2m以上離すのが基本です。サイズ選びは「部屋の対角線÷10」が適切な直径の目安になります。

シャンデリアは空間の主役になる照明。選ぶ際は部屋のスタイルに合わせて、過剰に装飾的すぎないものを選ぶとバランスが良くなります。

スタンドライトの便利な使い方

スタンドライトは床や家具の上に置くタイプの照明で、配線工事なしで使え、移動も自由にできます。読書灯や間接照明として重宝します。

スタンドライトの特徴
  • 好きな場所に自由に配置できる
  • 柔らかい光で落ち着いた雰囲気を作れる
  • 配線工事が不要で簡単に導入できる
  • 主照明と組み合わせて多層照明を実現できる

寝室のベッドサイドに置けば読書灯に、リビングの隅に置けば間接照明として活躍します。上向きタイプは天井に光を反射させて柔らかな明かりを、下向きタイプは手元を明るく照らします。

どうしても配線や予算の関係で照明計画が上手くいかない場合は、入居後にスタンドライトという選択肢も残しておきましょう

調光調色の種類と選び方

照明を選ぶ際に「調光機能」と「調色機能」という言葉を目にすることがあります。これらの機能があると、時間や気分に合わせて光の明るさや色を変えられるので、より快適な空間づくりができます。

調光機能でできること

調光機能とは、照明の明るさを自由に調節できる機能です。100%の明るさから10%程度まで暗くできるものが一般的です。

調光機能の特徴
  • 時間帯や用途に合わせて明るさを変えられる
  • 夜間のトイレや廊下での移動時に、目が眩まない程度の明るさに調整できる
  • 映画鑑賞など、暗めの光が必要なときに活躍する

例えば、食事中は明るく(100%)、くつろぐ時間には少し暗め(50%程度)、就寝前の読書には程よい明るさ(70%程度)というように使い分けられます。

調光機能は特にリビングや寝室など、多目的に使う部屋の照明に取り入れると重宝します。

調色機能で変わる部屋の雰囲気

参照:Panasonic 住まいの設備と建材

調色機能とは、照明の色(色温度)を変えられる機能です。電球色(温かみのある黄色い光)から昼光色(青白い光)まで変更できます。

調色機能の特徴
  • 朝は爽やかな白色、夜は落ち着いた電球色など時間帯に合わせられる
  • 作業時は集中できる昼白色、くつろぎ時間は温かみのある電球色に切り替えられる
  • 季節感を演出できる(夏は涼しげな白色、冬は暖かみのある黄色)
  • 体内時計(サーカディアンリズム)を整えるのに役立つ

色温度は「K(ケルビン)」という単位で表され、一般的な調色機能付き照明は2700K(電球色)~6500K(昼光色)の範囲で調整できます。夕方以降は3000K以下の温かみのある光にすると、自然な睡眠リズムを促せるといわれています。

調色機能は特に長時間過ごすリビングや、朝の目覚めと夜の就寝準備をする寝室の照明に適しています。

調光調色付き照明を選ぶときのポイント

調光調色機能付きの照明は価格が少し高めですが、生活の質を高める投資として検討する価値があります。

チェックポイント
  • リモコン操作かスマホ操作か、使いやすい操作方法を確認
  • 最低の明るさが何%まで落とせるか(10%以下だと夜間に便利)
  • 色温度の範囲が広いか(2700K~6500Kが理想的)
  • 電球交換時のコストや互換性を検討する

特におすすめなのは、就寝前の1時間に自動で暖色系に切り替わる「おやすみタイマー機能」や、朝の起床時に徐々に明るくなる「目覚めタイマー機能」が付いた照明です。これらがあれば、より自然な生活リズムを作れます。

調光調色機能は一度使うと手放せなくなる便利な機能です。家づくりの段階で主要な居室には取り入れることをおすすめします。

間接照明の種類と使い方

間接照明とは、光源が直接見えないように設置し、壁や天井に反射した光で空間を照らす照明方法です。

直接照明とは違い、柔らかな光と影で空間に奥行きや高級感を生み出します。間接照明を上手に取り入れると、ホテルのような落ち着いた雰囲気の住まいを実現できます。

コーブ照明(天井を照らす間接照明)

コーブ照明は、天井と壁の境目に光源を隠し、天井に向けて光を当てる間接照明です。まるで天井が浮いているような独特の空間演出ができます。

コーブ照明の特徴
  • 天井が高く見える錯覚効果がある
  • 光が柔らかく拡散し、目に優しい
  • 影ができにくいので空間全体が均一に明るくなる
  • ホテルのような上質な空間を演出できる

実際の設置例としては、リビングの天井周囲に10〜15cm幅の段差を作り、その中にLEDテープライトを仕込むのが一般的です。1メートルあたり800〜1200ルーメン程度の明るさがあれば、4.5畳ほどの空間なら十分な明るさになります。

コーブ照明は特に天井が平らで、白やベージュなど明るい色の場合に効果的です。光が反射しやすく、より広く空間を照らせます。

コーニス照明(壁を照らす間接照明)

コーニス照明は壁の上部に取り付け、下方向に光を当てる間接照明です。壁面のテクスチャを浮かび上がらせ、空間に奥行きを生み出します。

コーニス照明の特徴
  • 壁の質感や凹凸を強調できる
  • 絵画や写真などを美しく照らせる
  • 限られたスペースでも設置可能
  • 視線の高さにないので眩しさを感じない

例えば、石材やレンガ調の壁、凹凸のある壁紙などにコーニス照明を当てると、素材の魅力が一層引き立ちます。廊下や階段の壁に30〜40cm間隔で設置すると、安全性と装飾性を兼ね備えた照明になります。

照明器具自体が目立たないので、スッキリとした印象の空間になります。

フットライト・足元照明の活用例

フットライトは床近くに設置する照明で、足元を照らすことで安全性を高めながら、おしゃれな空間を演出します。

フットライト活用のポイント
  • 夜間のトイレや廊下の移動を安全にする
  • 床の素材や色を美しく見せる
  • 映画鑑賞時など暗い環境でも移動しやすい
  • 省エネでありながら、十分な明るさを確保できる

具体的な活用例としては:

  • 廊下の壁際に1.5〜2m間隔で設置して夜間の移動をサポート
  • 階段の各ステップ下に設置して安全性を確保(15ルクス程度の明るさ)
  • ベッドの下に感知センサー付きのテープLEDを設置して夜間のトイレ移動時に自動点灯
  • 和室の床の間周辺に設置して和の空間を演出

フットライトは主照明と併用することで、立体的な明かりの空間を作り出せます。

間接照明でおしゃれな空間をつくるコツ

間接照明を効果的に使えば、プロがデザインしたようなおしゃれな空間に仕上がります。ポイントは光のバランスと配置です

おしゃれな間接照明のコツ
  • 複数の種類の間接照明を組み合わせる(例:コーブ照明+フットライト)
  • 主照明と間接照明のバランスをとる(主照明70%+間接照明30%が目安)
  • 照らしたい場所や物を決めてから照明位置を決める
  • 調光機能付きの間接照明を選び、シーンに合わせて明るさを調整する

例えば、リビングではテレビボードの背面と天井の周囲に間接照明を設置すると、映画鑑賞時に主照明を消しても程よい明るさを保てます。

また、キッチンのカウンター下に間接照明を設置すると、夜間の水分補給時などに便利です。

間接照明は「見えない照明」であることがポイントです。

光源そのものは隠し、光が当たる場所や反射する様子を楽しむように設計しましょう。

部屋ごとに合う照明の選び方

照明は部屋の用途によって最適な種類が異なります。注文住宅では設計段階から照明計画を立てることができるため、各空間に合わせた照明選びが可能です。ここでは部屋ごとの特性に合わせた照明の選び方を解説します。

ライトの色で部屋の雰囲気が変わる

参照:Panasonic 住まいの設備と建材

照明の色(色温度)は空間の印象と活動に大きく影響します。

色温度の基本と部屋別おすすめ
  • 電球色(2700K~3000K):温かみがあり、リラックス効果がある光。寝室やくつろぎスペースに最適
  • 温白色(3500K~4000K):自然な色合いで、リビングやダイニングに適している
  • 昼白色(5000K前後):集中力を高める明るい光。キッチンや書斎におすすめ
  • 昼光色(6000K以上):クリアで爽やかな光。洗面所や家事スペースに向いている

寝室には安眠を促す電球色、作業スペースには視認性の高い昼白色というように、部屋の用途に合わせて色温度を選ぶことが重要です。

部屋別の照明選びのポイント

リビングの照明

リビングは多目的に使う空間なので、複数の照明を組み合わせるのがおすすめです。

  • メイン照明:調光・調色機能付きのダウンライトやシーリングライト(6畳で約2500~3000ルーメン)
  • アクセント照明:ダクトレールにスポットライトを取り付けて、絵画や観葉植物を照らす
  • 間接照明:コーブ照明(天井を照らす)やフットライトで落ち着いた雰囲気を作る

家具の配置も考慮し、ソファの後ろやテレビ背面に間接照明を設置すると効果的です。照明の光が家具に遮られないよう配置を工夫しましょう。

ダイニングの照明

食事を美しく見せる照明が理想的です。

  • ペンダントライト:テーブル上に吊るし、食材の色が自然に見える照明(300~400ルクス)
  • ダクトレール:テーブルの位置変更に対応できる柔軟性がある
  • 間接照明:落ち着いた雰囲気で食事を楽しめる雰囲気作り

ダイニングテーブルの上にペンダントライトを設置する場合は、テーブル上面から70~80cmの高さが適切です。

寝室の照明

睡眠の質を高める照明選びが大切です。

  • 間接照明:コーニス照明やコーブ照明で優しい光環境を作る
  • ベッドサイドライト:読書用に手元を照らす用途に
  • フットライト:夜間の移動時の安全確保に

寝室では光源が直接目に入らないよう工夫し、調光機能付きの照明で就寝前は徐々に暗くできるものが理想的です。

キッチンの照明

作業を安全に行うための明るさが重要です。

  • タスクライト:調理台の上に設置し、手元を明るく照らす(500ルクス以上)
  • ダウンライト:天井に埋め込み、全体を均一に照らす
  • ペンダントライト:アイランドキッチンの上に設置し、食材の色を正確に見せる

「照明の種類」ではないですが、自動照明も活用しましょう。以下の記事の下の方で、自動照明の紹介をしているので、ぜひ参考にしてみてください!

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まとめ:自分にぴったりの照明を選ぼう

注文住宅の照明選びは、部屋の用途や広さに合わせた種類や明るさの選定が重要です。

シーリングライトやペンダントライト、ダウンライトなどの特徴を理解し、調光調色機能や間接照明を活用することで、快適でおしゃれな空間を作れます。

特にダウンライトは光が拡散され、埃がたまりにくく掃除も楽なのでおすすめです。

失敗しないためには、明るさの調整やサイズ選び、配線計画をしっかり行うことが大切です。これらのポイントを押さえて、自分にぴったりの照明を選びましょう。

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こたろー
2019年に一条工務店と契約し、注文住宅の設計・建築に奮闘。 ・夏はカラッと(冷房で寒くない) ・冬は寒くない(暖房でモワッとしない) ・いつでも明るい ・外からの視線も気にならない ・全部屋で高速インターネット ・ほしいものへ最短距離 こんな快適設計のポイントをまとめているサイトがほしかった…、、、 という想いから本サイトを作りました。 目から鱗な情報発信をしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。 >>>詳細はこちらから