子どもが3〜4歳、そして小学生になると「何か習い事をさせようかな」と考えると思います。
そして次に待っているのは、「どこで習わせよう?」です。
子どもの習わせたい事 第3位に入っているピアノ(笹川スポーツ財団「4~11歳のスポーツライフに関する調査」2017)を習わせたいと思ったときに、選択肢としては大きく3つの選択肢があると思います。
- ヤマハ音楽教室
- カワイ音楽教室
- 個人教室
この記事では、あなたが子どもにピアノを習わせようとしたとき、どこの教室に通わせれば良いかを判断できる材料を提供します。
習わせる目的
この記事の最も重要ポイントです。当たり前のことと思うかもしれませんが、改めて、習い事をする「目的」を再確認しましょう。
「周りの子たちが習い事をしているから」と焦って習い事を始める必要はまったくないです。習い事をせずに自分で工夫することによって、より成長出来たり、自分のモノになったりすることもあります。
習い事をさせる目的
- 子供の好きなこと・得意なことを増やしたい。
- 習い事が学校の授業に役立ち、子どもの自己肯定感が増す
- 社会人になったときに役に立ててほしい
- 子どもの体力や知識を増やしたい
- 練習したことが出来るようになることを知ってもらいたい
- 発表会を通して人前に立つ経験をしてほしい
- 友達を増やしたい
- 習い事の最中の親がフリーになる時間がほしい
ピアノをさせる目的
- 音感をつけさせたい
- 指先を器用にさせたい
- 右脳(感性・知覚)を刺激したい
- 子どもの記憶力を向上させたい(右手と左手は異なる動きで、右脳と左脳の連携が強まる)
では、各教室の特徴を見ていきましょう。
3大教室の比較
各教室の特徴をまとめると、このような形です。
ヤマハはグループの印象が強いですが、個人もあります。
また、個人教室は高いイメージがありましたが、実は大手音楽教室の方が月謝が高いということが分かります。
ヤマハ | カワイ | 個人 | |
レッスン時間・回数 | 個人30分・グループ60分/月3回 | 個人月3~4回(年間40回) | 年40回〜43回程度 |
入会金 | 10,000円 | 10,000円 | 個別 |
レッスン料 | 6,500円/月 | 7,000/月 | 4,000円~6,000円 |
運営管理 | 2,000円/月 | 1,500/月 | - |
教材費 | 5,000円/年 | 8,500円/年 | 5,000円~ |
テキスト | ピアノジョイ | カワイ独自の「サウンドツリー」 | 市販テキスト |
考え方 | 基本になるのはまず片手 | 最初から両手 | |
進め方 | クラシック(バロック~)からポピュラーまで、バランスよく選曲された初級~中級レベル(ヤマハグレード10級~7級程度)の曲を学びます。 | 独自テキスト主体のため、クラシックは要望がないとやらない。 ある程度弾けるようになったら、本人が弾きたい曲も取り入れながら進める。 |
※金額は全て概算(税抜)です。
特徴・評判だけで選んではダメ
さて、各教室の特徴を比較しましたが、大事なのは「目的」に合った内容を実施してくれる「教室はどこか」ということです。
教室 | 目的 |
ヤマハ音楽教室 | エレクトーンやクラシックをやりたい。グループで習いたい。 |
カワイ音楽教室 | 将来的に自分の好きな曲を弾けるようになりたい |
個人教室 | 通わせたいけど安いほうが良い |
ヤマハ・カワイの違いだけでなく、教える先生にも個性があります。合う・合わないは一期一会。
口コミが良い=我が子がピアノを習得しやすい、ではありません。(もちろんあなたの子どもに合った指導をしてくれる先生は探しやすいかもしれません)
ヤマハ音楽教室から弾けるようになる、カワイ音楽教室だから弾けなかったというのは結果論であって、そのプロセスには子どものやる気や、あなたのフォローがあってこその結果です。
合わなければ変更すればいい。一方、ある程度の適応期間も必要だと思います。
継続は力なりは、嘘。
コタローは、年中から小学生6年生までピアノの習い事をやらされており、クラシックがメインでした。内気なコタローは、自分が「弾き語り(好きな曲を弾きながら口ずさみたい)」ということを、結局言い出せず、クラシックメインのピアノ発表会が嫌で辞めてしまいました。(言い訳としては中学生になり部活が始まったから)
やりたいことが出来ない習い事なんて苦痛でしかないですし、その場で覚えても、本当の意味で自分のモノにはなりません。
結局、7年間、ほぼ毎日続けたピアノは、1か月練習をやめたら弾けなくなりました。
その後、趣味で始めたギター(弾き語り)は、大人になった今、2年弾かなくても、ほとんどコードは覚えていて、ある程度弾けます。
継続していれば力になるのではなく、主体的に取り組めるかどうかがポイントなんだと思います。
例えば老人になったとき、ピアノを弾きたいと思って、楽しんでピアノが弾けるかどうか。六十の手習いではないですが、習い事の本質は、そこにあるのではないでしょうか。
したい事×させたい事=本当の力
子どもの世界は狭いです。ピアノという楽器があることも知らない世界から、ピアノを知ったとき「やりたい」と思えるかどうか。
大人がやらせるものではないですが、世界を広げてあげるきっかけは大人の役割だと思います。
また、子どもはうまくいかないとやりたくないと思うことも多いと思います。すべて子どもの意思に任せるのではなく、継続すると殻を破れることを体験させてあげる(縁の下の力持ち的な)ことも大人の役割だと思います。
一方で、一歩間違うと「強要」になり、子どもがやらされ感を持つと、本当の意味での成長は止まります。
子育て・育児とはとても難しいですね。
誰かが、「ピアノが弾けるようになるかならないかは100%親の意思で決まる」と言っていました。私は違うと思います。
大人の意思・フォロー・頑張りも必要ですが、それだけで子どもは本当の意味での成長しないと思います。子ども自身が楽しい、もっとやりたい、と思い、実践することが大事だと思います(もしかしたら、子どもがそうなることも含めて「すべて大人の意思で決まる」と言っているのかもしれません。)
- 子どもの主体性を一番に尊重する
- 習い事をさせる目的をはっきりさせる
- 目的(親も子どもも)を実現できる教室を選ぶ
- グループ、クラシックはヤマハ、自分の好きな曲を弾きたいならカワイ
- 一度決めたら、ある程度、継続する。子どものやりたいことを確認しつつ、微調整する
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