テレビアンテナなんて、どれも同じだと思うけれど、施工時の注意点はあるのかな???
こんな疑問にお答えします。
本記事の内容
カラス被害に遭う場所
被害に遭わないためにできる予防
被害に遭ってしまった場合の対処
本記事は、良いアンテナの設置方法や見積もり取得方法の記事ではありませんのでご注意ください。
特に住宅街のカラス被害を低減するための設計についてご紹介しています。
設計を工夫することでカラス被害を低減することが可能ですので、ぜひ最後までご覧ください。
カラス被害に遭うポイント
カラス被害に遭うポイントは以下の3点です。
電線・電話線
屋外のコンセント
ベランダ
カラスの特徴・習性・被害例を分析すると、対策を取る場所が見えてきます。
それでは具体的に説明していきます。
カラスの特徴・習性
カラスの被害対策をするにはカラスの習性を理解が必要です。
カラスの特徴は以下のとおりです。
非常に頭が良い(人の顔・性別・色を識別、記憶力も良い)
ねぐら(塒)に戻る前に、安全確認するため、一旦集まる就塒前集合(しゅうじぜんしゅうごう)をする
余った食べ物を隠す「貯食」をする
カラスは頭が良い
カラスの脳の重さはニワトリの約3倍、全体重に対する脳の重さは犬・猫より高く、その知能はチンパンジーと同等という研究結果があるほど、非常に頭が良いです。
記憶力が良い
カラスは、人間の顔を12カ月は記憶できることが分かっています。
この記憶力はカラスの3つの特徴につながってます。
- 攻撃をしてきた人の顔を覚えている
- ゴミ収集の日を覚えている
- 貯食した場所を100か所以上覚えている
カラスの記憶力の良さが人間を困らせる行動につながっています。
学習する
カラスは記憶力だけでなく、学習能力が非常に高いです。
そのため、体験したことを、次に活かすことができます。
- 紙袋の中に食料がある→袋の中身が見えなくても漁る
- たまたまクルミが車に轢かれて割れた→次から車にクルミを割らせる
- (実験)カラスを捕獲し、逃がした→復讐は、捕獲をした際に生まれていなかったカラスににも継続した(世代を超えて伝承)
カラスに罠を仕掛けても、学習し、次回から回避可能です。
つまり、カラス被害をなくすためには、カラスの身体能力では対応できない対策を取るようにしましょう。
カラスは就塒前集合をする
カラスには塒(ねぐら)と子育てをする巣があります。
塒(ねぐら)に入る前、一旦、事前に近くに集まり、ねぐらの安全確認をする就塒前集合(帰塒前集合)をとる
ねぐらは複数あり、単独で寝るリスクがあります。
そこで、今日のねぐらをどこにするかは協議で決められないので、飛んでは戻り、裏切りが無いように集団が塊でねぐらにはいれるタイミングを計ります。
この就塒前集合は電線・電柱・ビルの屋上などの見晴らしがよい場所で行われ、黒い集団飛行となり、糞被害につながります。
カラスの貯食
カラスは雑食で動物の屍肉や昆虫、木の実などを食べますが、特に都会ではエサが少ないために、人間のゴミを食べるようになりました。
一方で、毎日生ごみが出されるわけではないので、食料は貯めておく必要があり、貯食という行動になっています。
隠す場所は様々です。
- 植木鉢の中
- エアコンの室外機
- 屋外電源の箱の中
- 木の穴
- 石の下等々
つまり、自宅付近にカラスが食料を隠せる場所をなくすことが重要です。
ここから具体的な自宅周りの対策をご紹介していきます。
対策必須!屋外コンセント・TVアンテナ
我が家が建てた一条工務店では、2つのアンテナ線(ボックス)の設置を推奨されます。
アンテナの受信感度は設置してみないとわからないので、北と南もしくは東と西のセットで設置するためです。
このアンテナボックスが、カラスの貯食場所になります。
写真では、アンテナボックスは、十字に切れ目の入ったボックスになっています。
そのため、カラスの口ばしが十字の切れ目に入り、貯食できます。
我が家が気付いたのはベランダにポタポタ垂れている油でした。
上を見上げると、電線も何もなく、あるのはアンテナケーブルを出すためのボックスのみでした。
そこで、業者を呼んでみると、中から腐った肉が…
一条工務店のアンテナケーブルボックスは大きく、上からかぶせるサイズのカバーがありません。
一方でボックスの交換は電気業者の手配が必要です。さらに3階建ての場合、状況次第では高所作業車も必要です。
設計段階・施工前で設計士に、施主支給のアンテナボックスについて、相談してみましょう。
スクエアタイプはカラスが止まれるのでNGです。スリムタイプを選びましょう。
電線に止まったカラスの糞被害に遭ってしまったら
カラスは食料などを探すときに、外敵に気づくためにも見晴らしの良い場所に止まります。
電線に止まると糞被害は避けられません。汚い話ですが、ハトの糞の比ではありません。子どもの吐しゃ物かと思うほどの被害です。
↓閲覧注意(見たくない人は目をつぶってスクロールしてください)↓
電線の場合は、電線の所有者に連絡(WEB登録)して対応してもらえます。
ただ、以前は無料でしたが、今は問い合わせも多く、原則、有料となっています。
東京電力:設備改修(電柱移設等)のWEB受付サービスはこちら
NTT東日本:お問い合わせ(WEBでも電話でもOK)
ちなみに、東京電力の引き込み線(電柱⇔自宅)の場合、約3万円が目安と記載があります…が、
実際電話をしてみると「無料」とのこと。ほかの人のブログでも「無料」という情報が多くあるので、
困ったら一度電話してみてはいかがでしょうか。
基本、カラスが止まれる太さは電力会社の電線のケースがほとんどなので、管轄の電力会社へ連絡しましょう。
依頼した結果、電線の上に細い線を一本施工してもらうことで、カラスが止まれないようにしてもらえました。
あると便利!ベランダの活用方法
カラス対策はゴミ対策が最重要です。
都会のゴミが食べられるのは、ビニール袋が破けて、中のものが取り出せるからです。
つまり、カラスが開けられないゴミ箱を使うと便利です。
蓋つきのゴミ箱であれば、カラスに危害を加えるわけではないので復讐もされないです。
2階がLDKだと、生ごみを外までもっていくのは面倒ですよね。
そんなとき、ベランダに鍵付きゴミ箱があれば便利です。
絶対NG!間違ったカラス対策
カラス対策で一番NGなのは、カラスに危害を加えて追い払おうとすることです。
理由は2つです。
- 捕獲することは「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」で規制されている
- 記憶力が良く、伝承力もあるので、長期間復讐される可能性がある
カラスを網で捕まえようとしたり、エアガンで狙い撃つ等のことはやめましょう。
都会のカラス対策は3つです。
貯食できないよう、屋外電源の設備を選ぶ
ゴミを漁れないように屋外用ごみ箱を使う
電線に止まれないようにする
貯食できない屋外電源、ロックできる屋外用ごみ箱は設計時に対策可能です。
また、電線が通路、車、ポーチの上などにならないよう、移設を指示しましょう。
カラス対策は人間側で完結します。カラスに危害を加えずに対策をとっていきましょう。