外構

ポーチ階段の最適な高さと施工時の注意点(一条工務店)

ポーチの階段の高さはどのくらいがちょうど良いのだろう…?

歳を取った時のことを考えると、低ければ低いほど良いのかな?

こんな疑問のお答えします。

実は、ポーチの高さを決めるのは非常に難しいです。理由は下記のとおりです。

1段が低ければいいワケではない

本当なら設計の一番初めに決めるべき重要な場所

希望は現場監督に自ら指定しないといけない

一歩間違うと、老後に厳しい階段になってしまうため、設計前・設計中の方には是非ご覧いただければと思います。

本記事でわかること

ポーチ階段の最適な高さと奥行

気を付けるべき「縁石」

スロープを後付けを考えている場合の注意点

ポーチ階段の最適な高さ(蹴上)

ポーチ階段を最適な高さを探すためには2つの指標があります。

踏面:足を踏む面の長さ

蹴上:階段一段あたりの高さ

蹴上だけ低ければ登りやすいわけではなく、蹴上と踏面のバランス(比率)が重要です。

実情ではなくルールでは以下の通りとなっています。

建築基準法(室内)では、蹴上(1段ごとの高さ)23㎝以下・踏み面15㎝以上(参考:階段の幅は有効幅75㎝以上)

国土交通省が2007年にまとめた「バリアフリー整備ガイドライン」では、駅舎の階段の寸法は、蹴上は16cm以下・踏面は30cm以上

しかし、理想では以下の通りとされています。

蹴上×2+踏面=60cm

老人の利用を想定した駅や公共施設などでは蹴上15cm・踏面30cm(15cm×2=60cm)

(個人宅は敷地面積の問題から)蹴上は1段あたり18cm~20cm、踏み面が20cm~22cmが理想的

一方、理想論はわかったものの、実現不可能な状況の場合、どこまで妥協できるかというと以下が目安とされています。

最低条件

踏面 27cm以上
蹴上 18cm以下

一条工務店のタイルは33cmの正方形であるため、蹴上は15cm~18cmにしましょう。

蹴上が19cm~21cmの場合、ポーチを2段or3段の選択肢は、建築したい面積によってポーチの広さが決まるので、全体を見ながらの調整が必要です。

我が家の問題点

我が家は玄関から道路までの距離が短く、ポーチ階段を3段設置すると道路ギリギリまで階段となります。

しかし、道路とポーチの間には縁石があり、GLは縁石のを指しています。

このとき、縁石部分に段差スロープを設置すると、ある意味、階段が4段となり、一段あたりの蹴上が17.5cmと最適な高さになります。

しかし、この対応には大きな問題があります。ほぼ無法化となってしまっていますが、段差スロープの設置は道路交通法76条によって禁止されております。

段差解消ブロックに接触して転倒し、車にはねられた死亡事故では、段差解消ブロック設置者が道路交通法違反(道路での禁止行為)容疑で書類送検された事例があります。

正しい対策としては、道路交通法24条によって、歩道部分や縁石などの切り下げ工事を自費(個人負担)で行う必要があります(兵庫県 県土整備部土木局道路保全課資料参照)。

この縁石が、以下の通り、踏面の点から大きな問題となりました。

事前に気が付いていたら玄関を狭くするのかどうかはわかりませんが、設計の段階でポーチを4段にする選択肢も考えられました。

結果、気づくのが遅れたため、図のように、縁石が邪魔になる失敗例となりました。

<正面から>      <横から>

スロープの検討

高齢になった際に車いすになることは、注文住宅を設計するうえで重要な想定です。

考え抜いた結果、必要になった時に工事できるように設計したつもりでしたが、出来上がって見ると、追加工事が難しい施工となりました。

我が家が将来的にスロープを設置すると想定していた場所はこちらです。

宅配ボックスは撤去すれば良いですが、どうにもならない配管があり、スロープを設置すると配管のメンテナンスができなくなってしまいます。

将来においてスロープを設置したい場合、その場所についても設計士に伝え、配管等の配置も配慮してもらう必要があります。

まとめ

理想的なポーチは、踏面と蹴上のバランス(踏面30cm~、蹴上15cm~18cm)です。

そして、縁石がある場合、縁石を含めてどのように施工されるか?を確認する必要があります。

住宅で最も利用する場所は玄関です。その階段の使い勝手が悪いと、住み心地への影響も大きいです。

方角

動線(駐車場や表通り)

他の住宅との兼ね合い

ただ、ポーチの高さは、外構設計(間取り決定後)で調整可能です。

間取り設計中の施主は、まだ十分に検討することができます

外構設計は間取り設計以上に重要です。入居後の生活に直接影響します。

そして、残念なことに外構は、失敗するリスクが大きいのも事実です。

  • 外構なんて、「どこで施工しても差がない」と思いがち
  • 検討するタイミングが遅れがち
  • 日射や勾配、高さなど、実は設計は超難関

下のリンク先では、外構の検討タイミングから失敗しがちなポイント、時間を効率的に使った検討方法も紹介しているので、ぜひご覧ください。

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