一条工務店の家ってカビるのかな?
こんな疑問にお答えします。
一条工務店i-smartで建築し、入居2年。カビの発生する場所と、試行錯誤してたどり着いた対策をご紹介します。
一条工務店のi-smartはカビが発生する
結論からお伝えすると、一条工務店のi-smartで、室内全体を1年中、常に40~60%にしていてもカビは発生します。
理由は、カビは湿気と有機物(ホコリ)があれば、いつでもどこでも発生するからです。
具体的に湿気と有機物(ホコリ)が原因でカビが発生する場所は主に下記の3か所です。
窓
浴室
エアコン
これは一条工務店に限ったことではなく、どんな住宅でも、家全体の湿度を40~60%に保っていても、局所的には湿気が残ります。
現実問題として、1年を通して家の隅々まで湿気と埃を排除することは不可能です。
カビが発生しないハウスメーカーを探すのは無理なので、カビの発生を抑制する設計や対策が必須です。
では、具体的にカビの発生する場所をご紹介していきます。
窓は見える部分だけではなくレールもチェック
冬に最もカビが発生する場所は窓です。ただ、窓といっても結露する場所は大きく3か所あります。
ガラス面(ツインLow-Eガラス)
サッシ(トリプル樹脂サッシ)
レール(高性能樹脂枠)
一条工務店の窓は、ペアガラスアルミサッシの約5倍の断熱性をうたっていますが、東京にある我が家(I-smart)では、この3か所で結露が発生します。
特にカビが発生する部分はガラス面の下部と窓枠のレールです。
結露を拭きたいと思っても窓のつなぎ目など、指が届かない場所もあるので、拭き切るのは不可能に近いです。
浴室のカビ対策は労力に釣り合わない
浴室は、毎日湿度が高くなる場所です。入浴後に毎日丁寧に拭きあげればカビは発生しにくいですが、大変な労力です。
水分が残りやすい下記の場所にカビが発生しやすいです。
浴槽のつなぎ目やエプロン
入室ドアのパッキン
手すりの下部
特に拭き上げが難しいのは入室ドアのパッキンの繋ぎ目です。爪楊枝にティッシュを巻いて掃除をすれば水分を取り切れますが、毎日やるには大変です。
毎日を頑張るよりは、週1回の5分掃除でカビ菌を死滅させる方が時間も手間も楽々です。
エアコンは内部を確認
エアコンのアルミフィンや排水レールもカビが発生する場所です。
夏、冷房を付けると、エアコン内部では除湿(結露させて、結露水を排水)が行われます。
エアコンの稼働を止めると、内部に湿気や水分が残ります。エアコンは空気と一緒にホコリも吸い込むので、カビが発生します。
エアコンがカビると、次のエアコン稼働時にカビを室内に大放出するので、エアコンのカビは避ける必要があります。
キッチン下のカビ
2019年にインスタで話題になった一条工務店のカビはキッチン内部です。
理由は簡単で、1階(基礎の上)にキッチンがある場合、キッチンのダクトが基礎に降りる部分に、しっかりコーキングがされていなかったため、基礎の湿気がキッチンに上がってきてカビた、というわけです。
この問題は一条工務店でも周知され、コーキングは確実にするようチェック項目に入ったので、2021年の段階では解決されているはずです。
ブログ更新しました: なぜ一条工務店のキッチンの下にカビが生えるのか?原因と対処方法についての一考察(一条工務店さん作業指示書の変更をお願い!) https://t.co/wb3TcN6LT7
— さすけ (@sasuke13is) August 17, 2018
では続いて、これらの場所にカビを発生させない設計・対策をご紹介していきます。
カビを発生させない!3つの対策
カビの生育可能温度は0~40度で、カビ菌が湿気と有機物(ホコリ)をエサに繁殖するので、湿気を同じ場所にとどめない対策が有効です。
この特性を利用して下記の3つの対策が可能です。
空気を循環させる
太陽光を活用する
全館冷房を実践する
では具体的に紹介していきます。
空気を循環させる
常に空気を動かすことでカビの発生はかなり抑制することができます。
カビが発生する大きな原因は、カビが繁殖する水分が残っていることにあり、空気を循環させることで湿気を多く含んだ空気を分散することで結露させにくくするからです。
具体例を紹介します。
浴室:入浴後はサーキュレーターで給気をする
寝室:超弱で良いので、サーキュレーターで空気を動かす
これだけでガラス面やサッシ面、浴室の大部分は乾くので、カビが発生しにくくなります。
残念ながら、サーキュレーターだけで100%の水分は乾燥しきれませんが、パッと見て分かるほどの効果は期待できます。
浴室の換気扇を使うと、換気扇がカビます。サーキュレーターを浴室に向けて空気を送り込めば、換気扇は不要です。
冬は加湿になり、夏は全館冷房で除湿可能です。
夏、換気扇で空気を外に出すと、ロスガードを通らず、差圧感応式給気口から空気清浄されていない汚れた空気が室内に入ってきます。
入居2年、一度も掃除していない換気扇はキレイなままです。
太陽光を活用する
窓のカビは自然の力を借りてカビの発生を抑制することができます。対象は北側以外の窓です。
冬は太陽の角度が低いため、庇や軒があっても窓に直射日光が当たることが多いです。
ハニカムシェードを閉めて直射日光を当てることで窓が35度以上になり、カビが繁殖しない、というわけです。
冬のハニカムシェード
夜は結露させないためにハニカムシェードを上げる
昼は日射熱でカビを繁殖させないためにハニカムシェードを下げる
参考にしたのは一条工務店の有名施主・さすけ様の記事です。実際に我が家の窓でカビが酷いのは北側です。
全館冷房を実践する
エアコンのカビは、エアコン内部に湿気・水分が残ることが原因です。
常に水分を動かしてカビ菌を流しつつ、使わないときは湿気を乾かし切りましょう。
具体的な対策は下記の2つです。
全館冷房にして、6月から10月までは24h、除湿をし続ける
10月にエアコンを止める際は、12hは送風運転をして内部の湿気を乾かす
これをすることで我が家のエアコンのアルミフィンはキレイを保っています(購入してから一度も掃除してません)
対策をしてもカビが発生してしまうことはあるので、続いて簡単にカビを死滅させる方法をご紹介します
カビの超簡単な除去方法を解説
カビ対策のポイントは、発生してしまっても簡単に除去できるようにしておくことです。
なぜなら、浴室と窓は確実にカビが発生するからです。2つの方法があります。
50度~55度のお湯を活用
アルコール消毒を活用
具体的に紹介していきます。
熱いお湯を活用
カビの生育可能温度は0度~40度です。
そのため、カビ除去に洗剤系は不要で、50度以上のお湯を90秒流すとカビ菌は死滅します。
浴室のカビは、50度のシャワーで90秒流せば、死滅する。
ポイントは、カビ菌は死滅しても流れないことがあるので、軽く拭き取りましょう。
アルコール消毒を活用
カビは50度のお湯で死滅しますが、窓のサッシやレールにお湯を流し続けるわけにもいきません。
そこで活用できるのが消毒用エタノールです。
アルコールの一種であるエタノールは、カビの細胞膜を破壊するので、カビが生きれなくなります。
重要なのは濃度です。濃度が高すぎるとカビに効く前に揮発してしまいます。
エタノールがカビに対して最も効果を発揮するのは70~80%の濃度
筆者は1本目はスプレータイプ、2本目以降は詰め替え用を利用しています。
こちらは76.9~81.4%で、手の消毒にも使えるので、無駄になるということはないです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
パッシブデザインの風通しを重視した住宅の場合、高温多湿の夏に湿度を抑制できないですし、一条工務店のように全館空調の家でも局所的には湿度が残ることで、カビの発生は避けられません。
事前対策として実践できることは、下記のとおりです。
北側はFIX窓にする
それ以外の窓は、昼間はハニカムシェードを下げる
全館冷房の設計をし、実践する
そして、入居後のカビ対策は下記のとおりです。
サーキュレーターで空気を循環させる
浴室は50~55度のお湯で定期清掃
指が入らない場所は70~80%濃度のアルコール消毒
何度も除菌するのが面倒な人は、吹付後3か月経過でも99.975%ウイルス減少、第15回日本臨床救急医学会総会にて6か月以上の抗菌効果を発表もされているダイアニウムスプレーがオススメです。
1本が高いのですが、6カ月という長期で見れば、1カ月600円程度。
消毒用アルコールよりもコスパは良いです。