外構の目隠しフェンスの高さの制限はあるのかな?
外構のフェンスの高さはどのくらいがいいんだろう?
こんな疑問にお答えします。
新築と同時に外構工事をすると、入居前なので工事後をイメージできず、実際入居してみたら「想像と違った」ということがあります。
本記事では、目隠しフェンスの最適な高さや高さ上限についてご紹介します。
外構の目隠しフェンスが低すぎた
新築完成と同時に外構工事を実施したところ、我が家が選んだ目隠しフェンス(サニーブリーズフェンスS型)は低すぎました。
約1.8mの高さを選んだ理由は下記のとおりです。
外からの目隠しにしたかった
通る人への圧迫感を与えたくなかった
高くしすぎて室内からの解放感を狭めたくなかった
その結果、一年中、サンシェードを設置しています。具体的に失敗したポイントを紹介します。
外からの目隠しにしたかった
高さを1.8mとした目隠しフェンスでは、通行人と目が合います。
フェンスの真横では室内は見えませんが、
道路の反対側からは、視線の角度の関係で、室内の半分の高さまで見えてしまいます。(オレンジの線)
身長が180cmを超える日本人の割合は、男性で6.4%程度、女性では0.02%程度ですが、フェンスから離れると、身長が高くない人でも室内が見えてしまいます。
そのため、フェンスの目的が目隠しである場合、高さ1.8mでは足りないのです。
通る人への圧迫感を与えたくなかった
道路を歩いていてとても高いフェンスがあると、圧迫感を感じますよね。
ご近所付き合いがある場合も、「あそこの家の人は警戒心が強いのかなぁ」なんて思われかねません。
そのため、目隠しと圧迫感のバランスをとる必要があります。
圧迫感は高さだけでなく、色や素材、形状も影響し、外壁とのバランスもあるので吟味する必要があります。
高くしすぎて室内からの解放感を狭めたくなかった
フェンスを高くすることは、室内から室外への眺めを遮ることになります。
特に1階は2階と違って隣家があることで視界が遮られやすいので、少しでも開放的にしたいところです。
外の天気や気分転換に外を見ることがあるので、視界が開けていたほうが気持ちいいですよね。
一方で、外が見えるということは、外からも中が見えるということです。
外構フェンスの高さ制限
外構フェンスには2種類の高さ制限があります。
基準は下記のとおりです。
ブロック+フェンスの高さ上限は2.2m
独立基礎ブロック+フェンスの高さ上限は2.9m
具体的に説明していきます。
ブロック+フェンスの高さ上限
ブロック+フェンスの高さ上限は2.2mです。
建築基準法施行令「第4節の2 補強コンクリートブロック造 第62条の8」で、ブロック+フェンスの高さは2.2m以下と定められています。
第61条 組積造のへいは、次の各号に定めるところによらなければならない。
一 高さは、1.2 メートル以下とすること。第 62 条の 8 補強コンクリートブロック造の塀は、次の各号(高さ 1.2 メートル以下の塀には、第5号及び第7号を除く。)に定めるところによらなければならない。(中略)
一 高さは、2.2メートル以下とすること。
これはあくまで、ブロックの上に立てる場合です。
街を歩いていると、これ以上の高さのフェンスを見ますが、それは法令改正前に建てられたフェンスと思われます。
独立基礎ブロック+フェンスの高さ上限
独立基礎ブロック+フェンスの高さ上限は、主として2.9mであるケースが多いです(自治体によって違う)。
理由は下記のとおりです。
フェンスには高さ制限がない
ブロック塀は高さ制限がある(前述)が、独立基礎とすることでブロック塀の高さ制限がなくなる
独立基礎のフェンスは建築物扱い(斜線制限等の高さ制限はある)
もう少し詳しく説明します。
独立基礎ブロックの場合、フェンスとしての高さ制限はないのですが、建物としての高さ制限はあります。
つまり「独立基礎ブロックののフェンス=建物」として、道路車線制限や隣地車線制限の各種高さの制限の対象となります。
さらに、建物には標準階高が定められており、一般的に2.9mが定められているケースが多いため、本記事では「主として2.9mと記載しています。
3mの自治体などもあるようです。
そのため、お住まいの自治体に、建物の標準階高・道路斜線制限等を問い合わせていただくとスムーズに回答が得られる可能性があります。
ただ、、、自治体の担当者もすべて把握しているわけではないので、
外構業者への見積もり取得時に調べてもらうのが最も効率的で確実です。
2.2m以上にできるフェンスは下記のとおりです。
- リクシル フェンスAA
- リクシル ビューステージHスタイル横格子ルーバーハイパーティション
- リクシル Gスクリーンタイプ マテリアルカラー
- タカショー モクプラボード
- Exis Land Eウッドスタイル
ブロック塀を使ったら高さ制限があり、独立基礎をつかったら建物本体と同じ高さ制限がある、ということになります。
防火地域や準防火地域は不燃材を使う必要があったり、地域ごとで高さの条例が違うので、業者に確認しましょう。
高さが何mのフェンスであれば通行人と目が合わないか
もしフェンスで目隠しをしたい場合、フェンスの高さが2.5mあれば、通行人と目が合うケースは激減するはずです(青い線)。
目隠し用フェンスは2.5mの高さがあると安心
身長180㎝の家族がいなければ、2.2mのフェンスでも目隠しになるはずです(赤い線)。
外構は入居後に検討するべき
外構の中でも特にフェンスの高さは入居後でないとイメージがしにくいです。
なぜなら、基礎の高さがあるので、道路と家の地面の高さが違うため、目線の角度が想像にしにくいからです。
入居前に外構工事をする必要はない
ハウスメーカー提携の外構業者を利用する必要はない
外構設計は間取り設計以上に重要です。入居後の生活に直接影響します。
そして、残念なことに外構は、失敗するリスクが大きいのも事実です。
- 外構なんて、「どこで施工しても差がない」と思いがち
- 検討するタイミングが難しい
- 日射や風通し、勾配、高さ、害虫対策など、実は設計は超難関
下のリンク先では、外構の検討タイミングから失敗しがちなポイント、時間を効率的に使った検討方法も紹介しているので、ぜひご覧ください。