間取り

【解決】間取りで最適な通路幅を徹底解説

こんなことで悩んでいませんか?

最低必要な通路幅は?

余裕を持った通路幅は?

すれ違うために必要な通路幅は?

キッチンの通路幅は?

間取りは、図面と実際で感覚が違うことも多いです。

その理由は平面と立体の違いに加え、表記の寸法と実際の使える寸法の違いなどがあげられます。

毎日使う通路がイメージと違うとストレスは大きいです。

でも家の間取り作りは一生で1回。3回建てないと満足できる設計はできないといわれている中、「通路幅が狭くて後悔」とならないように、最適な通路幅の設計をしましょう。

本記事では、場所・シチュエーションごとに最適な通路幅を紹介します。

理想の通路幅

理想の通路幅を知るためには3つポイントを抑える必要があります。

基準となる通路幅

立体感の影響を受ける通路幅

動線から考える通路幅

通路幅が狭いと圧迫感・使い勝手の悪さがあったり、通路幅が広いとコストや他の間取り面積を減らす必要が出てきます。

そのため、それぞれの場所に最適な通路幅を設定する必要があります。

では、具体的に紹介していきます。

一人で通る幅

一人でゆったり通る場合の通路幅は約600mm前後のスペースが必要で、横歩きでも最低300mm以上の幅が必要とされています。

さらに、物を持って歩く場合は750mm以上の余裕があると理想的です。

理由は、日本人男性の平均的な幅(肩幅)は約400~450mmで、ギリギリの幅だと圧迫感があります。

最低でも520mm、通常は600mmの通路幅が必要とされています。

一人の通路幅

最低限必要な通路幅:520mm

通常の通路幅:600mm

余裕がある通路幅:750mm

二人で通る幅

大人2人がすれ違うための通路は、約900~1200mmの幅が必要です。

大人一人の通常通路幅(600mm)×2人=1,200mmとなります。

ただ、すれ違うといっても2つのパターンがあります。

  1. 正面向きですれ違う
  2. 一人は正面、一人は横向きですれ違う

②の場合は、一人がカニ歩きをすると300mmほどになるので、最低900mmの通路幅が必要になります。

(参照:通路幅のインテリア工学)

間取りイメージと実スペース感覚の違い

間取りを作り始めると1マス=910mm×910mmということを前提に図面が作成されますが、これは芯芯寸法といって、柱と柱の中心線を結ぶ距離になります。

柱と柱の間には、材料分の幅(柱の厚み(半分)・石膏ボード・クロス)も含まれるため、実際の利用できる幅は約780mmとなります。

1マスの両脇に壁がある場合は、通路幅が約780mm

1マスの片脇にのみ壁がある場合は、通路幅が約790mm

参照:間取りでは通路幅を心得ておくこと!~家づくりの失敗は「イメージ」と「実際のスペース感覚」の違い

法律で規定のある幅の寸法としては、建築基準法において、階段の幅が75cm以上と決められていますが、そこもきちんとクリアしている幅です。

もし、幅をイメージするために910mmでシミュレーションしていると、実際と想定が違った、ということになるので、要注意です。

生活動線によって必要幅が違う

すべての通路幅は余裕をもって1マスとしたいところですが、間取りの関係上、もっと広くした方がいい場所、もっと狭くても問題ない場所があります。

ポイントは生活動線です。

具体的に説明していきます。

生活動線の種類

通路幅で最も気になるキッチンに必要な通路幅は、キッチンの「型」によっても違います。

キッチンがアイランド式の場合:通路幅は広めに

キッチンが対面式(キッチンが行き止まり)の場合:通路幅は通常幅でOK

筆者が建築した一条工務店ではキッチン幅は2種類から選択できました。

  • キッチンは壁から1,505mm(通路幅 850mm)
  • キッチンは壁から1,761mm(通路幅1,100mm)

もしアイランド式にした場合、キッチンは生活動線の一部になるのですれ違いが頻繁に起こります。

そのため、アイランド式にした場合、通路幅は1,100mmが最適となります。

一方で、対面式(行き止まり)の場合、キッチンの奥まで入ってくる人・回数は少ないので、通常幅の850mmで十分です。

生活動線の数

生活動線の中でも帰宅動線・洗面動線・洗濯動線・就寝動線などが重なる交差点がある場合、通路幅が通常の780mmでは狭いです。

筆者宅の場合、この動線が重なる場所の壁を削り、通路幅を広くしたことで快適に過ごせています。

動線の利用頻度

朝起きてから一日の動きを、間取りに線を記入してみると、通路を通る回数がわかります。

家族の動きを線の色を変えてみると交差する場所も見えてきます。

動線の利用頻度、すれ違う回数を確認し、頻度が多ければ1マスの通路幅(通常の780mm)は必要です。

一方で、サブ動線(あまり使わない動線)や、すれ違いそうになったら2秒立ち止まればいいと考えれば、最低520mmの幅があればOKという考え方もあります。

筆者宅のダイニングテーブルとキッチンの通路幅は530mmです。2年以上、ぶつかったことも、狭いと不便を感じたこともありません。

 

視覚による錯覚で圧迫感が違う

通路幅は、単純な距離だけで判断してはダメです。立体的に想像する必要があります。

理由は、距離と圧迫感という印象は全く違うからです。

駐車場も同じで、ショッピングモールにある駐車場の間口と、自宅の駐車場の間口が同じでも、圧迫感・解放感は全く違います。

この画像を見たことはないでしょうか?

これは、ミュラー・リヤー錯視として、同じ長さの線でも、長く感じたり短く感じたりする錯視です。

これと同様に、通路幅も距離だけではなく、壁の高さも考慮しましょう。

片側が壁の場合

両側が背の低い家具(キッチンとダイニングテーブル等)の場合、780mmあれば十分です。

片側が壁でも片側が完全に開放空間であると圧迫感はほぼ感じません。

さらに、うえで紹介したテーブルとキッチンは、両方とも背が低く、圧迫感がないため、520mmでも全く問題を感じないと考えられます。

両側が壁の場合

両側が壁の場合、最低限の幅と紹介した520mmは絶対に避けましょう。

階段と同様、最低1マス(780mm)は必要です。

自分の背よりも高い壁に挟まれると圧迫感が強いです。

マンションなどの玄関からLDKまでの廊下は壁に挟まれているケースが多いので、必要であればマンションの内覧会に行って体験してみるのも良いかと思います。

最適な通路幅は場所によって違う

いかがだったでしょうか。理想的な通路幅といっても、様々な条件で必要な幅は変わります。

利用頻度

すれ違い頻度

壁が片側or両側or壁なし

通路幅は狭くても圧迫感があり使いにくく、広すぎても無駄+使い勝手が悪くなります。

それぞれの家庭の動きに合った通路幅を設計するようにしましょう。

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