二世帯住宅は後悔が多いって聞くけど、完全分離型にすればトラブルは少ないかな?
二世帯住宅の間取り設計で注意すべきポイントを知りたい
こんな疑問にお答えします。
二世帯住宅は完全分離型であっても失敗しない間取りのコツがあります。
単世帯の間取りづくり以上に難しいので、この記事で紹介するポイントは必ず押さえた設計にしましょう。
完全分離型の二世帯住宅を建てるポイント
二世帯住宅で後悔しないためには、下記のポイントを抑えて設計しましょう。
完全分離型
音漏れ対策
採光対策
動線対策
費用面対策
具体的に紹介していきます。
完全分離型のススメ
二世帯住宅のメリットでもありデメリットは、距離が近いということです。
距離が近いからこそ生まれる問題は下記の3点です。
プライバシーの確保
各階のデメリットに対する対策
どちらかが我慢はNG
一つずつ紹介していきます。
玄関・水回りは分ける
部屋の面積やコストを考えて一部共有型を選ぶとプライバシーの確保が非常に難しくなります。
理由は2つです。
プライバシーの確保には、鍵のかけられる扉が必要
ルールは作っても守り切れない
他世帯のリビングまでにある扉の数だけ、プライバシーの確保感が増します。
さらにルールを作ってもどうしても守り切れないことがあります。
風呂は○時から○時の間に使う
玄関は気づいた方が掃除する
他世帯に干渉しない
などなど
ルールをわかりやすく細かくすればルール数が増えて覚えきれませんし、ルールを少なくすると内容が曖昧になり解釈が変わってきます。
つまり、二世帯住宅は完全分離型でないとプライバシーの確保は難しいです。
寒さ・暑さの対策をする
どんな家でも各フロアには共通したデメリットがあります。
1階:冬は寒く、夏は涼しい
2階:冬暖かく、夏は暑い
日当たりの関係から生まれる特徴は対策可能です。
一条工務店の我が家は全館床暖房で、冬の1階は全く寒くありません。もし床暖房を入れないのであれば床下暖房というテクニックがあるので検索してみてください。
夏の暑さはサンシェードの外断熱で超簡単で確実に対策可能です。熱帯夜がなくなります。
オプションのグレードを合わせる
完全分離型にする際に気を付けるべきポイントは、オプションのグレードを同等品にする、ということです。
隣の芝生は青く見えると言われています。自分たちだけ我慢したというフラストレーションは塵も積もれば山となります。
さらに、同じ商品にすることで使い方をレクチャーしたり、故障個所に気づいたりというメリットもあります。
オプションのグレードによる差額は、入居後のデメリットを考えると大きな費用ではありません。
音漏れ対策は必須
完全分離型において最も気を付けるべき設計は「音」です。
親世帯と子世帯の活動時間はズレます。寝たいときにウルサイ、活動したいのに音が気になって自由な時間を過ごせない、というのはお互いにとってデメリットです。
水回りの音対策
水回りは、上下階の同じ位置に来るように配置しましょう。
常に音を気にしながら生活するのは想像以上に苦痛です。
1階寝室の上に配置NG
トイレ
風呂
キッチン
排水のルートは1階を通り下水に流れます。配管に防音材を巻かれるとしても音は出るので、1階寝室近くに配管が通らないように設計しましょう。
さらに、設計が非常に難しいですが、可能であればリビングも寝室からずらしましょう。
子どもの走り回る音は1階に響きます。
足音の重低音対策
2階の足音を防ぐ方法はかなり難しいです。天井に厚めのグラスウールを山盛りで施工したとしても、ほぼ効果はありません。
防振吊木やセルロースファイバーという選択肢もありますが、全く音がしないという状況は作りにくいのが現実です。
一方で、親世帯からすると、孫が走り回っている音は、身近にいる安心感にもつながることもあります。
可能な範囲での対策をしましょう。
テレビや話し声の音対策
重低音対策と違って、どうしても完全に遮りたいのが声や音です。
声や音は空気の振動であり、直進性があるので、下記の2つを実施すれば音を遮ることが可能です。
可能な限り、扉の枚数を多く設置
階段はリビングと向きを90度にする
我が家は親世帯と子世帯のリビングの間に3枚の扉があり、リビングに対し階段の向きを直角にしたところ、全く音が聞こえなくなりました。
採光対策は太陽光+照明の工夫
どんな家でも1階は2階に比べ暗いです。昼の時間帯に一番滞在するリビングは北側を避けましょう。
南側に窓があっても、部屋の奥まで光は入ってきません。でも、照明を工夫することでか解決可能です。
品川にあるパナソニック リビング ショウルーム 東京で、「かなり明るめの設計」をしてもらったところ、視力の弱い親でも料理をするときにも全く問題のない明るさを確保できます。
明るくすることもでき、間接照明にすることもできる調光タイプにしておくことで、様々な状況に対応可能です。
動線対策は1階の寝室の位置を中心に考える
二世帯住宅で取り入れたいのは2つの動線です。
帰宅動線
トイレ動線
考えるポイントは寝室の位置です。
帰宅動線を考慮する
人の出入りがある玄関や階段は、1階の寝室から離しておきましょう。
夜遅くに帰ってきたときに、親を起こさないように気を遣ったり、親も子世帯の帰宅する音で起きてしまう、ということが無いようにしたいです。
具体的には、階段は玄関近くに設置し、玄関からダイレクトに2階の子世帯へ行ける間取りが良いです。
我が家では、妻が息抜きでママ友と夜食事をして帰ってくるときに、気を遣わなくてよかった、ということがありました。
子世帯の帰宅動線は親世帯の寝室から離れるようにしましょう。
トイレ動線を考える
親世帯のトイレは寝室の近くに設置しましょう。
夜のトイレは、寒かったり、暗かったりすると億劫です。面倒だから朝まで我慢をすると身体にも良くありません。
トイレは玄関から近いと帰宅時にも便利ですし、子世帯の帰宅動線から離すことにもつながります。
トイレの音が気になる心配がある場合は、補強壁にすると音が軽減されますので、ぜひ試してみてください。
費用対策
我が家が建てた一条工務店・完全分離型の二世帯住宅は、親世帯費用として約1,700万円かかっています。
ローコスト住宅であれば1棟が建つ価格です。
この1,700万円が高いか安いかは、土地の価格次第です。
東京のように土地の価格が高ければ、完全分離型の二世帯住宅にした方が安いですし、郊外で土地が安ければ、二世帯住宅ではなく近居にした方がトラブルが少ないです。
土地の価格相場を考えて選ぶようにしましょう。
二世帯住宅のメリットを生かすためにできること
ここまで二世帯住宅のデメリットを紹介してきましたが、二世帯住宅を成功させるポイントは下記の2点に集約されます。
お互いに、必要な時だけ助けてもらいたい
それ以外は自分のペースで好きに過ごしたい
必要な時だけ助けてもらいたい
二世帯住宅検討のきっかけは親の介護がほとんどです。
親の介護をきっかけに二世帯住宅にすると、子世帯は、子どもの世話も時々してくれるだろうというメリットを前提に検討が進みます。
一方で、できるだけ自由に過ごしたいというのは当然の欲求です。
体調が悪い時には、お互いに助けてもらいたい
体調が良い時は孫と関わりたい
ちょっと自由な時間が欲しい時に孫の面倒を見ていてほしい
自分のペースで好きに過ごしたい
二世帯住宅は、非常時対応の役割を持つので、非常時でないときは別々に行動するのが良いです。
なぜなら人の感覚は皆、違うからです。
キレイの感覚も違う
ウルサイ感覚も違う
朝早いの感覚も違う
贅沢の感覚も違う
子ど建ての価値観も違う
掃除する頻度や見切り品の購入、外食の頻度まで、全ての価値観が違います。
他人の価値観が見えるためにぶつかるので、しっかりと分けた方が良いです。
二世帯住宅の設計は難しい
単世帯の設計であっても後悔ポイントは尽きないと思いますが、二世帯住宅の設計はさらに難解です。
耐震構造の問題から理想の間取りを実現できない
子世帯の動線を優先させると親世帯に我慢を強いる
親世帯の間取りを優先させると子世帯の間取りが使いにくい
さらにハウスメーカーと契約すると、上棟予定日が設定されるので打ち合わせの回数や検討期間に期限が発生します。
筆者も必死にリサーチしましたが、とにかく時間が足りません。
休日・深夜・通勤など、全ての時間を使ってリサーチをすると、家族との会話の時間も減り、「家と家族どっちが大切なの?!」と言われることもありました。
二世帯住宅は家族全員が満足できる間取りは作れるのか?
その答えはYESです。
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